昨年12月上旬に行われたサッカー北中米ワールドカップ本大会の組み合わせ抽選会。韓国代表の運命は、NBA史上最高の選手の一人とされるシャキール・オニールの手によって決まった。
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アメリカンフットボールのトム・ブレイディ、野球のアーロン・ジャッジ、アイスホッケーのウェイン・グレツキーとともに、北米4大スポーツのレジェンドとして各ポットの抽選アシスタントを務めたオニールは、韓国が入ったポット2を担当した。
ポット1の抽選が終わり、自身の前に置かれたポット2の12カ国が書かれた紙の入ったボールを取り出したオニールは、紙を開きながら「KOREA REPUBLIC」と伝えた。これで、韓国は共催国の一つであるメキシコが属するグループAへ入ることになった。
ポット3を担当したジャッジは南アフリカをグループAに送り、ポット4のグレツキーは、来年3月に最終決定される欧州プレーオフ(PO)パスDの勝者(デンマーク、北マケドニア、チェコ、アイルランドのいずれか)を引き当てた。
当初、韓国はワールドカップの大多数の試合がアメリカで行われることを考慮し、アメリカ東部と西部を中心に準備を進めていた。ホン・ミョンボ監督とコーチ陣はメキシコやカナダのトレーニングキャンプもチェックしていたが、最も重点的に見ていたのはアメリカ側のキャンプだった。
しかし予想を覆し、グループステージ3試合すべてをメキシコで戦うことになった。指揮官も組み合わせ抽選後のインタビューで「我々にとってはメキシコ・ワールドカップになった」と淡々と語った。
短い移動距離は利点、カギは高地適応
従来の32カ国体制から48カ国に拡大して初めて行われる大会で、韓国は自力で初めてポット2に入った。
組み合わせを見れば、ポット2効果を十分に享受したとの評価が出ている。メキシコは厄介な相手ではあるが、開催国3カ国を除いたポット1の9カ国と比べると戦力は劣る。南アフリカはポット3の中でも比較的戦いやすい相手の一つだ。欧州POの勝者は3月末まで決まらず戦力分析が難しいが、どの国が上がってきても韓国を圧倒するほどの戦力ではない。
韓国は来年6月12日午前11時(日本時間)、メキシコ・グアダラハラのエスタディオ・グアダラハラで欧州PO勝者とのグループ初戦を戦う。19日午前10時、同会場で開催国メキシコと第2戦を行い、南アフリカとの第3戦は25日午前10時、モンテレイのエスタディオ・モンテレイで開催される。第1~2戦をグアダラハラで戦い、第3戦のためにモンテレイへ移動する日程だ。
今大会は48カ国体制となり、試合数はこれまでと比較にならないほど増えた。次回大会もスペイン・ポルトガル・モロッコの3カ国共催に決まるなど、より多くの会場必要とされている。それだけ移動距離も過去のワールドカップとは比べものにならない。
今回の北中米ワールドカップも、アメリカ・カナダ・メキシコの広大な国土各地で試合が行われる。歴代大会の中でも移動距離がもたらす変数が最も大きい大会だ。
グループステージ3試合を戦うだけで5000km以上を移動する国もある。一方、韓国の移動距離は計637kmと、48カ国中7番目に短い。同組のメキシコ(933km)、南アフリカ(3926km)、欧州PO勝者(4523km)と比べてもその差は歴然だ。
第1~2戦を同一都市で戦う効果が大きい。第2戦で対戦する欧州PO勝者と南アフリカは、メキシコから米アトランタへ移動した後、再びメキシコへ戻らなければならず、移動距離が大幅に増える。
一方、メキシコの高地で行われるグループリーグ第1~2戦は、韓国代表にとって最大の負担となる。
グアダラハラは標高1571mに位置し、国際山岳医学会の分類では第1段階の「高地(high altitude)」に該当する。
高地では気圧が低下し、空気密度が下がる。同じキックでも空気抵抗が減り、軌道や飛距離が変わる。呼吸時の酸素摂取量が減少し、血中ヘモグロビンが増加、体力も消耗しやすくなる。
医学的には高度(km)×11.4日が適応に必要とされ、1500mを超えるグアダラハラでは適応までに「約17日」が必要との計算になる。
韓国代表は2010年南アフリカ・ワールドカップでも高地の影響に直面した。
当時、アルゼンチンとのグループステージ第2戦が行われたヨハネスブルクは標高1753mだった。ホ・ジョンム監督率いる韓国代表は、まず標高1200mのオーストリア・ノイシュティフトで一次合宿を行い、大会1週間前には標高1300mの南アフリカ・ルステンブルグのベースキャンプに入った。酸素調整装置まで準備したが、結果はアルゼンチンに1-4で大敗した。南アフリカ大会は21世紀のワールドカップで1試合平均得点が最も少なく、平均2.27ゴールにとどまった。高地の影響と分析された。
当時の高地適応失敗についてはさまざまな分析があったが、最も説得力があったのは「低地と高地を行き来した点」だ。
韓国はギリシャとの第1戦を海抜0mのポートエリザベスで戦った。低地→高地も厳しいが、高地→低地→高地も適応効果が著しく低下する。一方、アルゼンチンは第1~2戦ともヨハネスブルクで行い、高地適応を継続していたため、実力差に加え体力・集中力の差が明確に表れた。
16年前の教訓を踏まえると、今回の第1~2戦の日程は韓国にとって有利だ。低地への移動なしにグアダラハラ、あるいは近い条件の環境に滞在できる。
高地から低地へ下ると身体能力が向上するため、標高500mのモンテレイで行われる第3戦では体力的優位が発揮される可能性もある。メキシコと南アフリカが高地適応に慣れたチームである点は変数だが、最も重要な欧州POチームとの初戦を戦略的に運ぶことができる。
48カ国体制により、トーナメントはベスト32から始まる。全12グループの各組1・2位に加え、成績上位8カ国の3位も進出する。韓国はこれまで常にグループステージ突破を最低目標としてきたが、今や3試合で1勝でも32強に進める。
それだけ、ファンの目線も高い。前回の2022年カタール大会でベスト16に進出したため、ベスト32進出だけでは満足できない。成功と呼ぶにはベスト8以上を見据える必要がある。
ホン・ミョンボ監督も目標をベスト8に設定している。ポット2にふさわしく、グループステージ3試合に加えトーナメント2~3試合を戦い抜く準備が必要だ。
組み合わせ結果を見ると、韓国に有利なシナリオが多い。
グループ1位通過であれば、ベスト32もベスト16も引き続きメキシコで戦うことができる。移動距離が短く、低地中心で戦ってきた相手に対しコンディション面で有利だ。
2位の場合はすべてアメリカ開催に。特に在米韓国人が20万人以上暮らすロサンゼルスでベスト32、ヒューストンでベスト16を戦えるため、雰囲気面でも利点がある。
相手も“可能性のある”チームだ。グループAの1位は3位通過チームのいずれか対戦し、2位通過の場合はカナダまたはスイスが有力なグループBの2位と当たる。
一方、3位通過の場合はグループEまたはGの1位(ドイツ、ベルギーなど)と対戦可能性があり、移動距離も増える。
結局、韓国代表にとって最善は1位か2位の確保だ。そのためには第1~2戦で勝ち点4以上を確保し、最終戦で南アフリカを下す戦略が必要になる。
●サッカーコラムニスト、ソ・ホジョン記者
(記事提供=時事ジャーナル)
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