ちなみに、気になるソ・ジェウンのその後はというと、2015年限りで現役を引退した後、解説者、アマチュア球団の投手コーチを経て2018年にKIAタイガースの1軍ブルペンコーチに就任。2023年からは残留軍(リハビリを行う選手を中心に構成)の投手コーチを務めることが決まっている。
その間にも、ソ・ジェウンは自身の象徴ともなった“国旗立て”をめぐって何度か話題になっている。
例えば2012年には、妻のイ・ジュヒョンさんがテレビ番組に出演した際、「“太極旗セレモニー”の後、夫がラーメンのCMに出たがっていた」というエピソードを告白。その内容とは「夫が普段からラーメンが大好きで、“マウンドに挿した太極旗の熱気のように、ラーメンの熱気も上手く表現できると思う”と言って、(オファーが来ることを)内心たくさん期待をしていた」というもの。ただ、実際のところはオファーが一つも来なかったため、「今も文句を言っている」とのことだ。
また、当時36歳とベテランの域に差し掛かっていた2013年のWBCを控えては、「太極旗を挿すのは伝統ではないだろうか。私がやるかもしれないが、後輩の誰かがやるだろう」と2006年大会の再現を宣言。正式に代表メンバーに選ばれた直後も、「優勝して気分良くマウンドに太極旗を挿したい」と語っていた。
もっとも、韓国は1次ラウンドでまさかの敗退を喫し、決勝はおろか日本と戦うことすらなく大会を去った。ソ・ジェウン自身もこれといった活躍はなく、太極旗を挿す夢は叶わなかった。
近年の韓国は侍ジャパンに負け続きだ。2019年プレミア12では東京ドームで3-5の逆転負け、2021年東京五輪も横浜スタジアムで2-5と敗れている。
“国旗立て”以前の問題で、ライバルに勝てない状況が続いているが、東京ドームで迎える一戦で勝利を収めることはできるのだろうか。ソ・ジェウンも後輩たちの躍進を韓国から期待しているはずだ。
(文=サーチコリアニュース編集部H)