キャリアハイの1年を過ごしたコ・ウソクは順当に代表入りを果たした。プロ入り後では2019年プレミア12、2021年東京五輪に次いで3度目の国際大会だ。
今回のWBCを戦う韓国代表メンバーには、コ・ウソク以外にイ・ヨンチャン(NCダイノス)やキム・ウォンジュン(ロッテ・ジャイアンツ)といった国内トップレベルのクローザーがいる。それでも、セーブ王という最高のタイトルを保持するコ・ウソクは彼ら以上の重責を抱えている。
コ・ウソクは「大会まで時間が多く残っている。プレッシャーよりもときめきの方が先だと思う。(韓国代表の歴代抑え投手の)大先輩たちの系譜を引き継ぐというより、昨年の良かった点と今年上手くやりたい点をしっかり準備し、大会で上手く発揮したい」と覚悟を口にした。
宿敵とも言える侍ジャパンとの試合はコ・ウソクにとって何よりも重要だ。というのも、2021年夏に行われた東京五輪準決勝の“韓日戦”で、コ・ウソクは痛恨のミスを犯したからだ。
当時、韓国は侍ジャパン相手に8回表まで2-2の同点と拮抗していた。そして同回裏にコ・ウソクが登板し、一死一塁の場面で一塁ゴロを誘発。3-6-1の併殺で回を終えるはずだった。
ところが、一塁カバーに入ったコ・ウソクがベースを踏み損なったことで併殺に失敗。その後も申告敬遠、四球で満塁になった挙句、山田哲人に二塁打を放たれ、最終的に2-5で敗北。コ・ウソクも敗戦投手となった。
以降、韓国はアメリカにも敗れ決勝進出を逃すと、3位決定戦でもドミニカ共和国に屈し、メダル獲得を逃してしまった。
「(当時を)振り返ってみると、実力が足りなかった」と回想したコ・ウソク。「あの試合をきっかけに、2年間で今まで以上に努力した。その時間が無駄でなければ、良い結果が出ると思う。日本戦で登板するとなれば、自信を持って勝負するつもりだ」と、侍ジャパン相手の“復讐”を誓った。
WBCを順当に勝ち進めば、米メジャーリーグで活躍するトップクラスの打者との対決も実現する。韓国代表に選ばれること以外に、もう一つの動機づけとなる要素だ。
コ・ウソクは今後2シーズンをプレーすればFA資格を得る。本人もメジャー挑戦の意志があるだけに、まずはWBCの舞台でどれだけ活躍できるかに注目したい。
(記事提供=OSEN)