8月1日、PSGは東京・国立競技場でイタリアの強豪インテルと対戦。この夏、日本にはバイエルン・ミュンヘンやマンチェスター・シティといったヨーロッパの強豪が続々と訪れ、普段はUEFAチャンピオンズリーグ(CL)でしか観られないようなビッグマッチやJリーグクラブとの対戦が行われてきたが、PSG対インテル戦はアル・ナスル戦(7月25日/0-0)、セレッソ大阪戦(7月28日/2-3)と続いたジャパンツアーの最後を飾る試合として大きな期待と注目を集めていた。
実際、会場周辺には各所に特設ストアが設けられ、多くのサッカーファンが限定グッズを求めて長打の列をなしていた。試合前には派手なファイヤーフレイムとともに和太鼓演奏も行われるなど、まさにお祭りのような雰囲気で場内を盛り上げていた。
特に今回のPSG対インテルは夏休み中の開催ということもあり、会場には多くのサッカー少年・少女が来場していた。PSGのユニフォームを着用した子どもも少なくなかった。
そんな子どもたちのお目当ては、やはりネイマール。メッシが退団し、エムバペが移籍問題で来日しなかったことから、その注目度がより一層大きなものとなっていたことは言うまでもない。
期待度の高さは観客の反応にも表れていた。試合中はベンチでの様子が電光掲示板に映し出されただけでも大歓声が起こり、後半途中からはネイマールコールが会場のあちこちで響き渡っていた。
だが、ネイマールはついに1分たりともに出場せず。
新シーズン前の調整という意味合いも強いことから、両チームとも多くの交代カードを切っていたが、大阪でもベンチを温めていたスーパースターは東京・国立のピッチにも降臨しなかった。
ほかにも、今夏新加入で日本でも注目を集めたイ・ガンインのお披露目も叶わなかった。肝心の試合の方も、63分にPSGがヴィティーニャのゴラッソで先制したものの、試合終盤の連続得点でインテルが2-1の逆転勝利。結局、PSGは今回のジャパンツアーを未勝利で終えることとなった。
物足りなかったのは試合結果だけではない。目玉となる選手のプレーが観られなかったこと以外にも、残念な点があった。7月28日のPSG対セレッソ大阪戦後に元日本代表の香川真司も言及していた「高額チケット問題」だ。
PSG対インテルでは5万139人の観客が来場したが、観客席にはポッカリと空いたエリアも確認できた。チケット代はセレッソ戦同様、最も安価な席で小中高生が5000円、大人が1万円に設定されていた。
同じく国立で行われたバイエルン対マンCと比較すると、この数字の「異常さ」が際立つ。バイエルン対マンC戦の最安チケットは小中高生が4000円、大人が7000円に設定。6万5049人を動員して国立競技場におけるJリーグ主催試合の史上最多を記録した。
今回のPSGジャパンツアーは、昨年のツアーでも使用された「全員超人」に加え、「世界の傑物、日本で激突」という触れ込みで開催された。だが、蓋を開けてみると肩透かしを食らった感が否めなかったといえるだろう。
ワクワク感が大きかった分だけ、ため息と失望の声も多かった国立の夜だった。
(取材・文=サーチコリアニュース編集部K)