韓国の法曹界内外で近年、新人弁護士の就職難が深刻化し、中小規模の法律事務所はもちろん、ソウル江南(カンナム)以外の地域に所在する法律事務所まで応募者が集中する現象が発生している。
8月7日、本サイト提携メディア『時事ジャーナル』の取材を総合すると、刑事事件を主に扱うA法律事務所は、大手法律事務所に比べて規模は大きくないものの、最近行われた新人弁護士採用で競争率が100倍を超えたことが確認された。
同法律事務所のパートナー弁護士B氏は、「代表弁護士たちもあまりに多くの履歴書に驚いた」「就職難が深刻だとは聞いていたが、これほどとは予想できなかった」と話す。
こうした状況は、瑞草(ソチョ)や教大(キョデ)など江南中心地の法律事務所に限られた話ではない。永登浦(ヨンドゥンポ)や江北(カンブク)など非江南圏に所在するC法律事務所も、今年初めに実施した新人弁護士採用で100倍以上の競争率を記録した。
C法律事務所で勤務する弁護士D氏は、「応募者があまりにも多く、採用結果に関する問い合わせを処理するのにもかなり時間がかかった」と伝えた。
韓国で異例の求職難が続いている理由は、弁護士供給過剰の問題と結び付いているという分析も出ている。
法務部によると、2007年に約1万1000人だった国内登録弁護士数は、2009年にロースクール制度が導入されて以降、着実に増加し、2023年には4万人を超えた。
瑞草洞のある法律事務所の代表弁護士E氏は「人口は減っているのに弁護士数は増え続けている」「構造的な供給過剰が発生しているのに、政府は手をこまねていているのが実情だ」と指摘した。
法律事務所の採用縮小は景気低迷の影響だという意見もある。多くの弁護士はアソシエイト弁護士として仕事を始めて業務を習得した後、その法律事務所でパートナー弁護士として在職するか、事務所を離れて開業を選択する。
後者の場合、事件の受任件数が損益分岐点を超えなければ事務所を維持できず、廃業に直面することもある。このように開業に失敗した人が法律事務所に再就職する事例が生じるため、新人弁護士が入る枠はさらに狭まっているということだ。
法曹界内外では、このような現象が当分続くと見ている。大手法律事務所の場合、定量・定性評価の基準が中小事務所に比べて相対的に高いため、新人弁護士は中小規模の法律事務所に目を向けざるを得ないというのがその根拠だ。
既存の法律事務所が「リーガルテック(法律と技術を組み合わせた造語)」の活用度を高めるほど、新人弁護士の立場はさらに狭まるという懸念も出ている。
実際、国内売上上位10大法律事務所の一つである法律事務所Fは、AI技術を業務に活用するための開発に着手したことが『時事ジャーナル』の取材で確認された。これに先立ち、法律事務所・大陸亜州もNexusAIと共同でAIチャットボット「AI大陸亜州」を開発した経緯がある。
法律事務所ポンファのソ・ジュンボム代表弁護士は、「今でも簡単な業務はAIを利用して解決している。アソシエイト弁護士ができる仕事をAIが代わりにしてくれているので、採用規模を増やしていない状況だ」と語った。
(記事提供=時事ジャーナル)
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