就任から約5カ月となる文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、9月4週目の調査で67.7%の支持率を記録したことがわかった。就任初期に80%台の高い支持率を誇っていたことに比べると、だいぶ低下した格好である。
ただ、文大統領の人気はまだまだ根強い。それをよく物語っているのが、支持者らの間でブームになっている「イニグッズ」の存在だ。
以前、「ムンテム」が人気を集めていると紹介したことがある。「ムンテム」は文大統領が好んで飲んでいたコーヒー、かけているメガネなど、主に“文在寅が使用したアイテム”を意味する言葉だ。
ところが「イニグッズ」は、文大統領の写真やイラストなどを用いたグッズのことである。支持者の間で呼ばれている文大統領の愛称“イニ”と、“グッズ”を掛け合わせて名付けられた。
世間で最も話題になっているイニグッズは、文大統領のサイン入り腕時計だろう。
これは、海外からの来賓や国家功労者、青瓦台出入り記者などに限って贈られる青瓦台の答礼品だ。与党議員ですらなかなか手にすることができない、“レア”な代物だという。
原価は4万ウォン(約4000円)ほどと知られているが、その希少価値の高さゆえに中古取引サイトでは「77万ウォン(約7万7000円)で売る」「100万ウォン(約10万円)で買い取る」といった書き込みが見られたりした。
ネット上では一般販売を要求する声も上がっているが、青瓦台の関係者によると「答礼品は国民の税金で作られるため、不必要な制作は避けるべきというのが文大統領の考え」とのこと。
支持者の間では「どんなことをしてでも欲しい」という声が上がる一方、「大統領からの贈り物をむやみに売るのは許せない」という声も上がっている。
また、先月17日に韓国郵政事業本部から発売された大統領就任100日記念切手も、全500万部のうち464万部が発売当日に売れた。
あまりの人気に追加制作も行ったが、それもすべて完売。5280ウォン(約500円)だった切手は現在、中高取引サイトで10万ウォン(約1万円)前後で取引されている。
こういった“本人公認”のグッズ以外にも、イニグッズは数多く存在する。
例えば、某出版社による「文在寅カラーリングブック」や、インターネット書店「Yes24」が制作・販売している文大統領のイラストを用いたノートだ。
支持者たちの間では「I♥INY(イニ)」や文大統領へのメッセージが入ったTシャツ、エコバッグ、タンブラー、キャップなどの制作・販売が自発的に行われている模様だ。
若い世代を中心に、K-POPアイドル顔負けの人気を博している文大統領。
韓国の大統領がここまでアイドル化したのは、初めてではないだろうか。大統領シンドロームが今後も続くかどうかに注目したいところだ。
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