“女性嫌悪”が招いた最悪の通り魔殺人事件、その残酷すぎる犯行動機とは

2016年05月30日 社会
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韓国社会に蔓延している「女性嫌悪」が深刻化し、ついに悲惨な事件が起きてしまった。

5月17日午前1時20分頃、ソウルの地下鉄・江南(カンナム)駅10番出口近くにある商店街の男女共用トイレで、通り魔殺人事件が発生した。

被害者は23歳の女性。飲み会の途中でトイレに行くために席を立った女性は、偶然出くわした34歳の男に、いきなり左胸や肩、背中などを刃物で複数回刺され、死亡したのだ。

犯人と被害者は面識がなく、事件現場となったトイレ付近で犯人は1時間半ほど居座り、誰でも構わないので女性が入ってくるのを待ち伏せしていたという。

犯人と被害者、面識は“なし”

警察は事件後、現場周辺の監視カメラの映像を分析し、事件発生から9時間後にまた同じ格好で江南駅に現れた男を逮捕。凶悪な通り魔殺人事件として世間に知られることになった。

この事件に対する韓国国内の反応が尋常ではない。

というのも、警察の取り調べに対し、犯人は「普段から女性たちに無視されていたから」と犯行動機を明かしたのだが、それが世の女性たちを激怒させてしまったのだ。いわば「女性嫌悪」が招いた最悪な事件なだけに、多くの女性たちは「もしかしたら自分が被害者になっていたかもしれない」と、ゾッとしたようだ。

ネット上には「ただの通り魔じゃない、“女性嫌悪者”による事件だ」との声が多数寄せられ、女性ユーザーたちは、まるで身内の不幸のように悲しんでいる。

また、事件現場から近い江南駅10番出口には被害者の追悼スペースも設けられたが、菊の花と追悼メッセージカードで覆い尽くされたその厳粛な場所にある男性が貼り付けたメッセージカードが、ネット上で大炎上。

この男性は“イルベ”こと、韓国最大のネット掲示板「日刊ベストストア」のユーザーで、メッセージカードには「たかがクズ人間一人が殺人を犯したからって、すべての男性を侮辱するな」と書かれていた。目撃者の話によると、男性がメッセージカードを貼るや否や、その場にいた市民たちが男性を囲んで3時間近くにわたって押し問答、泣き叫ぶ女性の姿もあったという。

今回の事件を受けて、2014年のセウォル号沈没事故で拡散した「イエローリボン」ならぬ、「ホワイトリボン」キャンペーンを拡散させようとする動きもある。

ホワイトリボンとは、女性への暴力をやめようと呼びかける社会運動の象徴。しかし、「すべての男性を社会的悪者として決め付け、それを一般化するな」と、キャンペーンに反対する声も多く、賛否両論が起きている状態だ。

男性は女性嫌悪、女性は男性嫌悪に。この先、ますます韓国における男女の葛藤は激しくなりそうだ。

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