韓国では近年、10代での“不本意な妊娠”が統計的に増えているため、政府が対策に乗り出そうとする動きがある。
そんななか韓国の政府機関がとんでもない理由で未成年者への“特殊型コンドーム”の販売を禁止し、問題になった。
その政府機関とは、「女性家族部」(「部」は日本における「省」に相当)。その名の通り、女性や家族、青少年、児童の人権に関する政策を打ち出す機関であり、これまで青少年たちの夜間ゲームシャットダウン制(16歳未満のユーザーは午前0~6時の間、オンラインゲームのプレイを禁じるという法案)や児童ポルノ法(児童青少年性保護法)など、主に男性が不利益を受ける法律を施行してきた。
ちなみに、歴代の長官は女性ばかり。一部ではフェミニスト集団とも呼ばれており、廃止を求める声も少なくないほどだ。
女性家族部が未成年に向けて、一般型と超薄型以外の特殊型コンドーム禁止法を作った理由とは何か。
それは、「セックスの時、快楽を感じる可能性があるため」だという。このちんぷんかんぷんな理由に、国民は怒りを通り越してあきれ果てているようだ。
コンドームが薄ければ薄いほど、快感が増加するのは言わずと知れた事実。超薄型は許され、つぶつぶの突起が付いた特殊型はダメという規制に、一体なんの意味があるのだろうか。
女性家族部によると、特殊型コンドームの使用によって「未成年者がセックスをするたびに快感を求め、女性の体に刺激を与えてしまう」ので、この法律を作ったという。これに対し、専門家たちは「コンドームの種類で快楽を規定するのは非常識な発想」だと指摘。人間の性や、コンドームの使用目的について、しっかりとした認識のない人たちが作った、バカな規制法というわけだ。
ネット民は今回の禁止法を、「未成年者の快楽すら統制する」という皮肉を込めて「快統法」と呼び、以下のように猛反発している。
「快楽のないセックスが存在するとでも思っているのか? アホだな」
「未成年者が快感を味わってはいけない理由を説明してくれ」
「特殊型より超薄型のほうが快感はアップするはずだけど。わかってないな」
「なぜ個人の快楽まで法律で決めようとするんだ?」
未成年者のセックスは合法だが、快楽は不法と言わんばかりの女性家族部には、ネット民たちもお手上げのようだ。
未成年者全体の約18%が成人前に性行為を経験しているといわれる韓国だが、その中で避妊をしない率は約75%。今何よりも必要なのは、未成年にコンドームの正しい使い方を教えることではないかと思うのだが……。
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