韓国でも『ポケモンGO』が配信されるかもしれない。7月27日にそのニュースが報じられると、ネット住民たちの間では歓喜の声が上がっている。
きっかけは『聯合ニュース』が報じた韓国の国土交通部関係者のコメントだ。同関係者は来月8月に行われる地図国外搬出協議会の第2回会議で、搬出許可の可否が決まるという趣旨の発言をした。
地図国外搬出協議会は、国土交通部・未来創造科学部・国防部など8つの行政機関で構成されており、地図国外搬出とはその言葉通り、韓国の精密地図を国外に提供するというものだ。
その地図国外搬出協議会と『ポケモンGO』にどんな関係があるのかと不思議がるかもしれないが、大いに関係がある。
そもそも『ポケモンGO』は拡張現実(AR)機能と位置情報を活用したゲームで、位置情報はGoogleマップの地図情報を基にしている。
ただ、韓国は未だ北朝鮮と休戦状態にあり国家安全保障上、精密地図の搬出規定は厳しい。そのためGoogleに自国の精密地図を公開してこなかった。Googleは2010年に韓国政府に申請したが、韓国政府は許可を出していない。
そんななかGoogleは、今年6月に韓国政府に再申請。それを受けて地図国外搬出協議会は第1回会議を開いたが、韓国の規定で海外企業から地図搬出の申請があった場合、60日以内に結論を出さなければならず、そのデッドラインが8月25日となっている。
つまり、地図国外搬出協議会がGoogleの再申請を受諾すれば、『ポケモンGO』の韓国配信の可能性も一気に高まるという見方が出ているわけだ。
ただ、喜んでいるのは『ポケモンGO』を待望するファンだけで、Googleに精密地図を提供することに否定的な意見もある。
仮にGoogleが韓国の安保関連規制を守ってGoogleマップの提供を韓国で始めた場合、Googleに有利な地図案内や道路検索をするのではないかという意見だ。
韓国最大のポータルサイトNAVER社のイ・ヘジン議長も最近の記者懇談会で、「Googleの地図持ち出し要求は、(税金、法規遵守の負担を避けようとしており)アンフェアだ」と発言している。
はたして『ポケモンGO』は韓国に上陸するのだろうか。そのカギは地図が握っている。
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