韓国メディア『東亜日報』は1月5日、成人男女1000人を対象に実施した「韓国社会で成功するための大事なものは何か」というアンケート調査結果を発表した。
アンケート結果を見てみると、最も多く挙げられたのは「血縁・地縁・学縁などの人脈」(36.8%)で、次に「実力」(33.8%)、「お金」(28.5%)、「その他」(0.8%)が並ぶ。
社会に物議を醸している崔順実(チェ・スンシル)の娘が、過去に「カネも実力なのよ。無能なら親を恨め」と断言したことを、必ずしも間違いとは言えなさそうな結果だ。
前出の『東亜日報』は、実は1964年にも同じ調査を実施している。
当時、成人男性1020人を対象に実施したアンケートでは、49%が「実力」と答えていた。「お金」は2016年の結果とさほど変わりない26%だが、「血縁・地縁・学縁などの人脈」は半分以下である18%だ。
結果を見る限り、いくら貧困だろうと“実力さえ備えれば成功する”という自信や、チャンスに対する高い確信が伺える。
当時の国民総所得は107ドル(約12588円)で、2015年の2万7340ドル(約321万6471円)に比べて256分の1程度しかなかったにも関わらず、機会均等・国家システムに対する信頼は今より厚かったのだろう。
「今後の暮らし向きについて」も1964年は「肯定」が28%、「否定」が26%となっており、2016年と比べると違いは明らか。
今回の調査では「肯定」が11.5%、「否定」が45.4%と、否定的な意見が大幅にアップした。実力があっても成功するとは限らない上に、景気回復に対する期待まで薄れている。
この報道を受け、ネット民からは「金の匙(財閥を比喩する造語)で生まれるのが人生の正解」「崔順実ゲートがすべてを物語る」「コネは必須、カネは実力、希望は贅沢、残るは虚無感」「親世代も反省してほしい」「韓国は何もかも逆行しているんだね」といったコメントが寄せられた。
2017年こそ、人々の認識や社会の雰囲気が良くなってほしいものだが、はたして…。
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