結婚や出産でキャリアが断絶された女性のことを、韓国では“経断女(経歴断絶女)”と呼ぶ。
韓国・統計庁が2015年に行った調査によると、20歳以上の経断女は696万人。会社勤めの経験があった女性の約75%が、キャリア断絶を余儀なくされているそうだ。
新卒ですら就職難に苦しんでいる今の韓国では、経断女の再就職はかなり難しい。ということもあって、起業に挑戦する女性が増えている。
韓国・中小企業庁の統計では、2015年に起業した女性は2万2229人で、2014年より12.7%増加した。女性CEOによる法人設立も増加の一途をたどっており、2014年1分期に4817件だったのが、2016年上半期には約2倍増えた9693件となっている。
ここ最近は、女性の起業を応援する講義やプログラムも増えた。
世界的企業であるGoogleも、2015年からソウルに位置した「Googleキャンパス・ソウル」で「ママのためのキャンパス」というプログラムを運営。
起業を目指す経断女たちの第二の人生を応援している。1期受講生の場合、70%が起業に取り組んでいるという。
このように経断女の起業が多くなった理由は何か。
ヤン・ヒョンボン産業研究院選任研究委員は、韓国メディア『ニューストマト』とのインタビューでこう話している。
「今は、高い感受性と繊細な能力が要求される知識融合社会なので、男性よりも女性が適している。トレンドが変わっている上で女性たちの役割は必ず必要だ。女性の起業は今後も増えるだろう」
女性が最も簡単に起業できる方法の一つは、インターネット上でショッピングモールを立ち上げることだ。
実際に、お洋服、下着、ダイエットフードなどのショッピングモールは、20~30代の女性がCEOとして活躍するところが多い。
今後も、経断女たちの起業は増える見込みだ。そもそも、働く女性たちにとって結婚や出産が不利にならない社会になればいいのだが…。
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