韓国のPM2.5はもはや「自然災害レベル」。だからこそ大ヒットした商品とは?

2017年05月25日 社会
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「きれいな空気を提供するカフェを運営します」

『ニュールスーム』(JTBC)のキャスターを務めるソン・ソッキが明かした引退後のプランだ。

韓国では最近、PM2.5を意味する「微細ホコリ(ミセモンジ)」が深刻な社会問題になっている。今年は例年以上の濃度が観測され、日常生活にも支障を来している状況だ。

外出はなるべく控え、外に出るときはマスクが必須。子供たちは当たり前のように公園ではなく、家で遊ぶ。若いママたちの間では、きれいな空気が詰まれた「空気缶」が人気アイテムらしい。

もうすぐ必需品になる?

目の乾燥や呼吸器疾患、肌のトラブルで病院を訪れる患者も増えた。

もはや「自然災害レベル」とも言われる微細ホコリに危機感を感じ、原因と指摘される中国と韓国政府を相手に訴訟を起こした環境団体もある。

ところが、こんな「いいことなんて何もない」微細ホコリによって、思わぬ大ヒットを飛ばしている商品がある。

「空気清浄機」と「室内トレーニング用品」がそれだ。

前出のソン・ソッキが言った「きれいな空気を提供するカフェ」とはつまり、空気清浄機が設置されたカフェである。

実際に、街には「店内で空気清浄機稼働中」という張り紙が貼ってあるお店がちらほら登場。

もちろん空気清浄機を家庭に導入するケースも大幅に増えた。

大型家電量販店「ロッテハイマート」によると、4月から5月中旬まで空気清浄機の売り上げは昨年の同じ時期に比べて280%増えたという。今年の空気清浄機の市場規模は、昨年より50%増えた1兆5千億ウォンに及ぶ見通しだ。

ついに空気清浄機が、エアコン並みに重宝される時代が来たのかもしれない。

また、家で運動できる室内トレーニング用品も爆発的に売れている。

人気商品は室内用サイクルとバランスボール、ヨガマットなど。ネット通販サイト「Auction」によると、ここ2ヶ月でピラティスリングの売上は150%、フォームローラーは176%急増した。

ここ数年、誰でも手軽に真似できるフィットネス動画が流行っているのだが、「微細ホコリ対策」として今後も健康な体づくりブームは続くのだろう。

いずれにせよ、日本にいる我々にもいつか微細ホコリに苦しむ日がやってくるかもしれない。「空気を買って吸うことが当たり前」、という事態だけは絶対避けたいものだ。

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