教権の弱体化が著しい“超学歴社会”韓国で、新たな学校トラブルが発生し物議を醸している。
問題になったのは、江原道(カンウォンド)のとある高校での出来事。なんと、校舎の前に学生たちが集められ、腕立て伏せの態勢で指導を受ける姿がネット上に拡散されたのだ。
拡散された直後、韓国ネット民の間では「明確な体罰」「厳重に処罰すべきだ」という声が挙がった一方、「教師として指導できる範囲内」「これくらいで声を荒げるからまともな子が育たない」と許容する声もあるなど、賛否が大きく分かれていた。
該当の学校側と教育庁は「体罰ではない」と弁明しながらも、「教権侵害の恐れがある」と説明し、謝罪とともに同様の事例が起きないことを伝えた。
この問題は、体罰シーンを見ていた一部の学生たちが、校内および外部のオンラインコミュニティに関連文を載せたことで広く知られることになった。
もっとも、こうした教師たちへの圧力は相当に根深い。
実際、韓国のリサーチ専門企業メディアであるリアルリサーチコリアが、9月11日から15日まで成人男女2398人を対象に「誰のための人権か」というテーマでアンケート調査を実施した結果、「授業中に教師への悪口・授業妨害・無断離脱など問題行動をする学生への対応」という問いに対し、「罰点付与」が32.2%で最も多く回答に挙げられたことが分かった。
ほかでは「退学措置」(25.0%)、「体罰」(24.6%)、「言葉で訓育」(14.5%)、「どんな措置も意味がない」(3.7%)という回答が続いた。
この調査結果からもわかるように、生徒の過ちを教師がどう対応するかは難しい問題だ。怒られることで学ぶことがあるのも否定はできないだろう。
確かに行き過ぎた体罰は問題だが、現代社会で教師と生徒の“立場逆転”が進んでいるのも事実。デリケートな事象なだけに、その落としどころが難しと言えるだろう。
(文=サーチコリアニュース編集部)
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