「口蹄疫の清浄地域」と呼ばれていた韓国・全羅南道での感染拡大が深刻な状況となっている。
3月13日に初めて口蹄疫が発生して以降、感染が確認された農場の数は10カ所に増えた。防疫当局は今週を重要な局面と見なし、ワクチンの一斉接種を前倒しするなど、感染拡大の阻止に全力を注いでいる。
韓国内で口蹄疫が発生したのは、2023年5月以来22カ月ぶりだ。特に「口蹄疫の清浄地域」とされてきた全羅南道での発生は、1934年以降初めてのことだ。
3月19日、全羅南道によると、18日に霊岩(ヨンアム)で新たに2件の口蹄疫が確認された。これにより、現在、霊岩郡で9件、務安(ムアン)郡で1件、計10件の口蹄疫が発生したことになる。
この日、新たに発生した2つの農場は、それぞれ最初に感染が確認された農場から900m、第3の発生農場から2.7km離れた場所にある。農場主が疑わしい症状を通報し、精密検査を実施した結果、前日に最終的に陽性と判定された。
追加で感染が確認された韓牛の飼育農場は、最初の発生農場の防疫区域内にあり、すでにワクチン接種を終えた地域であった。
全羅南道は、10番目の感染農場と同じ日に陽性判定を受けた9番目の農場の牛のうち、陽性反応が出た牛だけを選別して殺処分する計画だ。3月18日現在、全羅南道ではこれまでに計369頭が口蹄疫のために殺処分された。
全羅南道は、今週が口蹄疫拡大の最大のヤマ場になると見ている。
当局は感染を封じ込めるため、発生した農場の牛をすべて殺処分し、感染拡大防止に総力を挙げている。さらに3月23日まで、道内の家畜市場11カ所の営業を停止することを決定した。
全羅南道は感染拡大を防ぐため、発生地域である霊岩と務安の韓牛農場で飼育されている韓牛6万2000頭に対し、すべてワクチン接種を完了した。
また、道内22の市・郡全体の接種率は、3月17日午前時点で対象となる168万1000頭のうち92%が完了しており、22日までに100%完了させる計画だ。
防疫当局は、全羅南道内に口蹄疫がさらに拡大している可能性を注視しながら、感染原因の解明に向けた疫学調査を進めている。検疫本部の遺伝子検査によると、今回の口蹄疫は2021年に発生したモンゴル型と確認された。
しかし、どのように国内へ流入し、どの経路で拡散したのかについては、正確な原因と経路がまだ特定されていない。
全羅南道のパク・ヒョンシク農畜産食品局長は、「感染拡大を防ぐため、迅速にワクチン接種を完了し、毎日農場の消毒を徹底することが重要だ」と強調し、「よだれを垂らす、鼻水、食欲不振などの疑わしい症状が見られた場合は、直ちに防疫機関へ通報してほしい」と呼びかけた。
(記事提供=時事ジャーナル)
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