現代(ヒョンデ)財閥3世でHN Inc元社長のチョン・デソン氏が支配してきたWOOSU AMSの経営権が、自動車部品会社Futronicに移った。
【業種別】最高15億!韓国財閥トップの年収ランキング現代グループ創業者の故チョン・ジュヨン氏の孫で、元アナウンサーのノ・ヒョンジョン氏の夫として知られるチョン・デソン氏は、相次ぐ事業失敗で先代から受け継いだ邸宅や不動産が競売にかけられたのに続き、ついには会社まで失うことになった。
7月9日、業界によると、WOOSU AMSは最近の公示で最大株主が既存のタダムハーモニー第1号からFutronicに変更されたことを発表した。
eモビリティ・ソリューション専門企業であるWOOSU AMSは、2020年にチョン・デソン氏によって買収された。HN IncがWOOSU AMSの最大株主である特別目的会社(SPC)タダムハーモニー第1号に出資し、間接的に支配する構造だった。
しかし昨年、裁判所がHN Incの再生計画案を強制認可したことで、チョン・デソン氏の支配力は事実上喪失。その後、WOOSU AMSは新たな買収先を探していた。
FutronicはこれまでWOOSU AMSの株式を継続的に買い増し、最大株主の持分比率(11.52%)を超えると、保有目的を「単純投資」から「経営参加」へ変更した。WOOSU AMSは8月に臨時株主総会を開き、経営権の変更を承認する予定だ。
現代アルミニウム元会長の故チョン・モンウ氏の三男であるチョン・デソン氏は、現代製鉄の系列会社である現代B&Gスチールでかつて経営修業を始めた。その後、2008年に現代財閥とまったく関係のない釜山(プサン)の情報通信企業ユシーテック(現HN Inc)を買収し、個人事業をスタート。翌2009年に社名を現代BS&Cへ変更した。
その現代BS&Cの社名が2021年にHN Incへ変更されたのは、現代自動車グループが「現代」ブランドの使用中止を求めて起こした訴訟に敗れたためだ。
当時、現代自動車グループは現代財閥グループと組織的・経済的・持分的関係のない現代BS&が、「最大株主がチョン・デソン氏だから」ということだけで現代財閥グループの一員とは認められないと主張した。
チョン・デソン氏はその後、建設とIT分野の事業拡大にも着手。伝統的な製造業よりも、IT・スマートホーム・ブロックチェーン・フィンテック中心の新規事業に注力した。ただ、「新しい現代」を作ろうとしたチョン・デソン氏の試みのほとんどは、成果の不振や運営の限界に終わった。
ブロックチェーンプラットフォーム「Hdac」を設立して仮想通貨を発行し、ハードウォレット「KASSE」も開発したが、技術の未完成と国内取引所への上場失敗によって事実上挫折した。
ブロックチェーン基盤のデジタル決済サービス「現代ペイ」も、カカオペイやToss(トス)など大手プラットフォームとの競争に敗れた。自社開発のスマートホームソリューション「HERIOT(ヘリオット)」を自社アパートブランド「SUN&VILL」に適用したが、市場の需要は限定的だった。
そこに深刻な景気低迷と高金利の影響が加わり、HN Incの主力である建設業までが危機に追い込まれた。資金難に陥ったHN Incは、2023年に裁判所に法定管理を申請した。
こうした一連の過程を経て、チョン・デソン氏は10社以上の金融機関に対し、計505億ウォン(日本円=約53億円)を超える債務を負うことになった。
このため、今年初めにはチョン・デソン氏が居住したソウル城北区(ソンブクク)の高級ヴィラと、チョン・ジュヨン氏から相続された同じく城北洞の不動産(604平方メートル/約182坪)なども競売にかけられた。
(記事提供=時事ジャーナル)
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