日本がブービーの「女性の働きやすさ」ランキング…10年連続最下位の韓国における“女性嫌悪”

2022年03月09日 国際
このエントリーをはてなブックマークに追加

イギリス雑誌『エコノミスト』が3月7日に発表した「女性の働きやすさ」最新ランキングが話題になっている。

先進国を中心とした29カ国を対象にした2021年の最新ランキングで、日本がワースト2位という結果だったからだ。

同誌が「女性がいまだに家庭と仕事のどちらかを選ばなければならない」と指摘している通り、日本は女性が働きやすい環境ではないかもしれないが、下には下がいる。今回のランキングで最下位だったのは、他でもなくお隣・韓国だ。

【注目】外国人女性の被害続々…“女性観光客にとって危ない国”に落ちた韓国

2021年ランキングでも最下位となった韓国は、これで2013年の集計以来、10年連続のビリという結果になっている。

韓国では“女性嫌悪”が社会的な問題

「女性の働きやすさ」ランキングには、「性別高等教育格差」「性別賃金格差」「女性の経済活動参加率」など、10の細部指標がある。韓国は「賃金格差」29位(最下位)、「管理職女性比率」29位、「企業内女性理事比率」29位、「女性労働参与率」28位、「男女高等教育格差」28位、「議会女性議席比率」27位など、ほとんどの部門で低評価を受けた。

そのなかでも最も注目したいのは、「性別賃金格差」だ。28位の日本が23.5%の格差とされたなかで、韓国は31.5%と断トツの格差を見せている。女性の賃金水準が、男性よりも31.5%も少ないという意味だ。29カ国平均(13.5%)の2倍以上という数字だった。

問題は、韓国では「女性の働きやすさ」に限らず、“女性嫌悪”と呼べる段階にまで達しているということだ。

その傾向が表面化したのは、2016年だろう。同年5月17日にソウル江南(カンナム)のとある男女共用トイレで、通り魔殺人事件が発生。被害者の女性は、偶然出くわした34歳の男に、いきなり左胸や肩、背中などを刃物で複数回刺されて、死亡したのだ。2人にはまったく面識がなかったというから驚きだ。

この事件を機に“女性嫌悪”がイシューとなり、問題が可視化していった。

例えば、日本でも翻訳出版された小説『82年生まれ、キム・ジヨン』は、韓国で生まれた女性が生涯を通じて直面するあらゆる差別が淡々と描かれており、20~30代女性を中心に大きな共感と支持を得ただけでなく、社会現象まで引き起こした。

つい先日も、大統領選挙に立候補しているイ・ジェミョン候補が「驚くことに一部の政治圏は、韓国社会に“構造的な性差別はない”と主張し現実を歪曲している」とし、「多くの国民が女性嫌悪を中断することを要求している」と強調したほどだ。

ただ、その原因は複合的で複雑だ。古くからの儒教の影響、ネットによる極論化、近年の韓国女性の活躍が下地になっているという見方まである。それだけに解決への具体策は、なかなか見えてこない。

いずれにせよ、「女性の働きやすさ」ランキングで10年連続ビリの汚名は返上しなければならない韓国。次期大統領がどんな手を使うのかにも注目したい。

(文=サーチコリアニュース編集部)

前へ

1 / 1

次へ

RELATION関連記事

デイリーランキングRANKING

世論調査Public Opinion

注目リサーチFeatured Research