韓国大統領選挙が早々に行われたら「尹大統領の影響力」を得て飛躍するのは誰?意外な候補が浮上

2025年03月19日 政治 #時事ジャーナル
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いわゆる「尹心(尹錫悦大統領の意向)」が再び登場するのか。

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憲法裁判所の弾劾審判にかけられている尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領を中心に、保守結集の動きが続くなか、仮に弾劾が認められたとしても、早期大統領選の過程で尹大統領の影響力が与党内で行使される可能性があるという見方が依然として浮上している。

尹大統領の就任後、党内選挙はもちろん、地方選挙や総選挙など主要な選挙のたびに「尹心」は登場した。

尹大統領が直接・間接的に支持する候補が明らかになると、その候補に自然と力が集まる現象が見られた。

早期大統領選の局面で「尹心」が登場するという見方は、単なる予測ではない。

以前、裁判所の拘束取り消し決定前にソウル拘置所に収監されていた尹大統領が、面会に訪れた与党の「親尹派」関係者に対し、「もし次の大統領選が行われるなら○○○が大統領になるべきだ」「国民が推す候補として進むべきだ」という趣旨の発言をしたという話が、メディアを通じて伝えられた。

尹錫悦大統領
(写真=写真共同取材団)尹錫悦大統領

現在、尹大統領は釈放された状態であり、大統領職を退いた後は、より積極的かつ直接的に特定の候補を支持する可能性があるという見解も出ている。

与党「国民の力」の党代表を務め、前回の大統領選で尹大統領と共に戦った「改革新党」のイ・ジュンソク議員は3月18日、SBSラジオの『キム・テヒョンの政治ショー』のインタビューで、弾劾が認められた場合、尹大統領が「私邸政治」を展開すると見通した。

イ議員は「私は大統領に対して確信を持っている。非常に強い攻撃モードに出るだろう」と述べ、「国民の力の(早期大統領選)候補選びの手続きが始まれば、そこで『私はまだ終わっていない』ことを示そうとするはずだ」と主張した。

意外な人物が浮上

鍵となるのは、今後、「尹心」がどこへ向かうのかという点だ。政界では、キム・ムンス雇用労働部長官が有力な「尹心」候補として挙げられている。

キム・ムンス長官
(写真=時事ジャーナル)キム・ムンス長官

保守結集の流れとともに、与党内の有力候補の中で先頭を走るキム長官は、最も尹大統領を擁護する立場にいると評価されている。

彼は12・3非常戒厳直後に行われた国会の緊急懸案質疑で、戒厳に関連した野党議員の謝罪要求に応じず、「堂々としたムンス」という異名を得た。また、不正選挙論についても明確に否定せず、尹大統領側と最も密接な関係にあると評価されている。

そのため、「尹心」はキム長官に向かうというのが大方の見方だが、最近では予想外の別の人物が「尹心」の候補として浮上し、注目を集めている。

それは、代表的な親尹派であり、与党の有力候補の一人でもあるウォン・ヒリョン前国土交通部長官だ。

尹大統領の事情に詳しい与党関係者は、「尹大統領はキム長官を非常に信頼しているが、ウォン前長官とは就任当初から共に仕事をしてきたため、特別な絆がある。ウォン前長官も有力候補として評価されており、注目する必要があるという声が与党内で少なくない」と明かした。

ウォン・ヒリョン前国土交通部長官
(写真=時事ジャーナル)ウォン・ヒリョン前国土交通部長官

ウォン前長官は、前回の大統領選の候補者選びの過程では尹大統領と競争したが、その後、尹政権の初代国土交通部長官を務め、尹大統領の強い信頼を受けてきたとされる。2024年7月の「国民の力」の党大会でも、親尹派の支援を受けながら「尹心」候補として評価された経緯がある。

ウォン前長官は、現在の世論調査では支持率が低いものの、引き続き発言を続け、早期大統領選に向けて準備を進めていると分析されている。特に、最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表を牽制するメッセージを連日発信しており、これは大統領候補としての存在感を示そうとしていると解釈される。

ウォン前長官は、2024年4月の総選挙で仁川・桂陽(ケヤン)乙(ウル)に出馬し、李在明代表と直接対決したこともある。

別の与党関係者は、ウォン前長官が「尹心」候補に指名される可能性について「昨年の総選挙で李代表に敗れ、党大会でもハン・ドンフン前代表に敗れた点は弱点といえる」としながらも、「前回の党大会では党内の情勢的に力を得られなかったが、現在は尹大統領を中心に保守がかなり結集しており、今後の展開を見守る必要がある」との見解を示した。

このように、複数の人物が「尹心」の選択を受ける候補群に挙げられるなかで、仮に弾劾が認められた場合、尹大統領が影響力を行使しようとしても、効果を発揮するのは難しいという見方もある。

派閥色の薄いあるベテラン議員は「弾劾されれば、その原因を提供した前大統領の発言に力が宿ることはない。そんな話は小説に過ぎない」と述べ、「尹心」の可能性を一蹴した。

(記事提供=時事ジャーナル)

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