「歴史を忘れた民族に未来はない――」。これは韓国でよく使われる言葉で、2013年サッカー東アジア杯の日韓戦で韓国サポーターが掲げた大横断幕に書かれたことで、日本でも聞いたことのある人もいることだろう。
ただ、韓国人のなかにも歴史を忘れてしまった人はいるようだ。
K-POPガールズグループ「AOA」のとあるメンバーが、韓国で“英雄”とされる人物を知らなかったのだ。
この事実が発覚したのは、ケーブルテレビの『CHANNEL AOA』という番組。AOAメンバーが歴史上の人物の顔写真を見て、その名前を答えるクイズコーナーがあったのだが、メンバーのひとりであるジミンは、安重根(アン・ジュングン)の顔写真を見ても答えがわからない。
ヒントとしてスタッフが「伊藤博文」と伝えても、「あ~キン・トカン?(有名な独立運動家の息子で元国会議員キム・ドゥハンの日本語読み)」などと答えている。
また、同じくメンバーのソリョンは「豊臣秀吉」と回答。ちなみにソリョンは、朝鮮王朝時代の将軍・李舜臣(イ・スンシン)の顔写真を見ても答えられなかった。
歴史上の活動や功績などは別にして日本で例えると、安重根は坂本龍馬、李舜臣は織田信長に匹敵するほどの知名度だ。冒頭のサッカー日韓戦で横断幕と共に顔写真を掲げられたのも、ほかならぬ安重根だった。
韓国の国民であれば、ほぼ100%答えられるはずの問題であり、さらに韓国の歴史を語る上で欠かせない人物たちを、AOAの2人は知らなかったことになる。何かと歴史にうるさい韓国だけに、ネット上は大炎上。この“安重根騒動”を受けて、彼女たちは涙ながらの謝罪も行っている。
特に問題なのは、ソリョンが「韓国訪問委員会」で、人気俳優イ・ミンホとともに“広報大使”を務めていたことだ。
韓国訪問委員会とは、外国人観光客の誘致拡大などのために設立された文化体育観光部(「部」は日本の「省」に相当)所管の財団法人で、2016~2018年を「韓国訪問の年」に定めて活動している。
今回、ソリョンが韓国について無知であることが発覚し、「なぜソリョンを広報大使にしたのか?」という非難の声も上がってしまった。
同委員会にしてみれば予期せぬとばっちりだが、公式ホームページからソルヒョンの写真を削除。同委員関係者は、「広報大使の交代はまだ計画にない。写真の削除と広報大使の交代に関連はない」と答えている。
そもそもAOAは、日本でも先月『愛をちょうだいfeat. TAKANORI NISHIKAWA(T.M.Revolution)』を発売したが、何かと騒動の種が尽きないガールズグループといえるかもしれない。
5月16日には韓国で新曲『Good Luck』のミュージックビデオが公開されたが、こちらも非難の対象に。ミュージックビデオに写っていた自動車にTOYOTAとHONDAのロゴが見つかり、「“戦犯企業”じゃないか」という指摘が出たのだ。
所属事務所は「この車両は現地の事情で借りただけで、なんら意図を持ったものではない」と答えたが、結局、TOYOTAとHONDAのロゴにモザイクをかける事態にまで進展している。
いずれにせよ、“安重根騒動”に巻き込まれ、大炎上となったAOA。「歴史を忘れたK-POPアイドル」に、未来はあるのだろうか?
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