ロシアW杯に臨む韓国代表のなかで、もっとも注目されているのは、プレミアリーグで実績を残しているエースのソン・フンミンだろう。
ただ、そのソン・フンミンと2トップを組むことが多いストライカーも、母国から大きな期待を寄せられている。
ファン・ヒチャンがその人だ。
現在、オーストリアのザルツブルクで、日本の南野拓実とともにプレーしている。
22歳と若手だが、メディアでは、「ファン・ヒチャン、勢いに乗る決定力に期待」(『イルガンスポーツ』)、「ソン・フンミン?キ・ソンヨン?彼らに負けず重要なファン・ヒチャンの役割」(『韓国スポーツ経済』)などと取り上げられている注目株だ。
最近は、ソン・フンミンが所属するトッテナムがファン・ヒチャンを注視しているとの報道もあった。
日本ではあまり知られていないが、韓国が期待を寄せるファン・ヒチャンとは、いったい何者なのか。
日本の南野拓実と同時期にザルツブルクに移籍。
2017-2018シーズンには37試合に出場。13ゴール4アシストを記録し、チームのリーグ優勝とヨーロッパリーグ4強進出をけん引した。
U-12から代表に選ばれており、2012年のAFC U-16選手権では、グループリーグの日本戦で挙げた先制ゴールをはじめ5ゴールを記録して得点王に輝いている。
2015年10月には、10代選手として唯一、U-23代表に抜擢。
シン・テヨン監督(当時)が「実力だけを見て選んだ」と評価した通り、AFC U-23選手権準々決勝のカタール戦で約70mのドリブル突破からアシストを決めるなど、存在感を示した。
同年のリオ五輪ではメキシコ戦でトラブルも起こったが、チームの8強進出に貢献している。
同年9月には、A代表に初選出。2017年6月14日のカタール戦でA代表初ゴールを決めた。
現在はA代表でエースのソン・フンミンと2トップを組むことも多く、今年3月のポーランド戦で同点ゴールを決めるなど、存在感を示している。
韓国サポーターからの人気も高く、南野拓実との仲睦まじい写真もアップしているInstagramのフォロワーは23万人を超えている。
そんなファン・ヒチャンのプレースタイルは、スアレスを彷彿とさせるといわれている。
豊富な運動量と力強い突破が武器で、付けられたあだ名も“ファンソ”(雄牛)だ。
上述したポーランド戦でも、ファン・ヒチャンが相手ディフェンスの裏を突いたことでスペースが生まれ、ソン・フンミンを生かすことができたと評価されている。
「W杯に出場できることは大きな喜びだ。良い選手であることを証明したい。
簡単な舞台ではないことはわかっている。しかし、絶対に負けたくない。意気込みは120%だ」
W杯開幕直前、韓国メディアにこう語ったファン・ヒチャン。
若きストライカーが自身初のW杯でどんなプレーを見せるか注目だ。
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