電話番号特定、不法侵入まで…K-POPアイドルの生活を脅かす通称「サセンファン」の闇

2022年11月15日 K-POP #アイドル #社会問題
このエントリーをはてなブックマークに追加

10月16日には、TWICEナヨンのサセンファンであるAが彼女の自宅マンションへの侵入を試みたとして衝撃が走った。

ナヨンへのストーキング行為を続けるドイツ国籍のAは同日、自身のYouTubeチャンネルを通じて動画を公開。「こんにちはナヨン。君のマンションの近くに来ているよ。でも悲しいことにマンションの階段に暗証番号がかかっていたんだ」と、侵入を試みたがマンションのセキュリティにより失敗に終わったことを報告した。

通報を受けて駆けつけた警察には「警察は僕のことをストーカーと勘違いしていたので、彼女は僕の好きな人だと伝えた。でも警察はこれを信じなかった。なぜならJYPエンターテインメントが嘘の情報を通報したからだ」と狂気じみた発言をしている。

なお、Aは2019年からナヨンに対するストーカーと脅迫行為を続けており、所属事務所のJYPエンタは2020年1月7日、Aを相手にソウル中央地方裁判所に接近禁止仮処分申請を、8日にソウル江南警察署に業務妨害罪で刑事告訴をしたが、接近禁止仮処分申請は送達の事情により取り下げられた。ナヨンに継続して接近を試みるAに、JYPエンタは警察介入のもと、幾度となく近づくなと警告。しかしAはこれを無視し、飛行機でナヨンに接近を試みたことで騒動を起こしたこともある。

ナヨン

BTS ・JUNG KOOKはグラミー賞後のホテルで…

サセンファンによるストーカー行為はそれだけではない。4月5日、BTSのJUNG KOOKが第64回グラミー賞授賞式後にホテルで生配信を行っている最中、突然ホテルの電話が何度も鳴り響いた。受話器を取るも無言が続き、苦悶の表情を浮かべたJUNG KOOKは「見ているんですよね?あなたは誰ですか?やめてください。電話の呼び出し音が気になるんです。イライラする。怖いです」と不快感を露わにしたことがある。

JUNG KOOK

同じく、BTSメンバーのVも、2019年のV LIVEで「僕が代表して、言わなければいけない。僕たちはチャーター機に乗ることがある。正直、僕たちも(普通の)飛行機に乗りたいけど、僕たちが乗ることを予め知って僕たちの前の席や、隣の席に座る方々がいる。プライベートな空間でも安心してゆっくりできないので、とても居心地が悪い」と明かしたことがある。

V

ついに大手事務所も警告

2021年には、SMエンターテインメントが「サセン」に対する法的対応を予告した。

SMエンタは当時、「所属アーティストに対する過度なプライバシー侵害行為を、これ以上黙過することなく、厳重に対処していく予定」と明らかにした。続けて「このような行為は、愛情のこもったファン心の表現ではなくてアーティストたちのプライバシーを侵害する違法な行為であり、明白な犯罪行為だ。近年制定された“ストーキング犯罪の処罰等に関する法律”に基づき、懲役刑や刑事罰を受けることもあり得る」と指摘。さらに「当社は所属アーティストを保護するため、これまで“サセン”に対して堅持してきた寛容な態度を捨て、善処や合意なしに断固として強力に法的対応をしていく。刑事告訴はもちろん精神的・財産的損害賠償を請求するなど、民事・刑事上可能なあらゆる法的措置を取る予定」と警告した。

韓国では最近、継続的なストーカー行為に対して「ストーカー処罰法」が国会の本会議で成立した。最大で5年の懲役または3000万ウォン(約300万円)以下の罰金が課せられることとなった。

K-POPの人気が大きくなるにつれ、事務所やアイドル本人もサセンに対して声を挙げられるようになってきた。応援の方法や、ファンの在り方について今一度考えるべきなのではないだろうか。

(文=サーチコリアニュース編集部A)

前へ

2 / 2

次へ

RELATION関連記事

デイリーランキングRANKING

世論調査Public Opinion

注目リサーチFeatured Research