壮絶な“お家騒動”で韓国を賑わすとある芸能事務所から崩壊の音が聞こえ始めた。
韓国芸能事務所のHOOKエンターテインメントは最近、歌手や俳優として活躍するイ・スンギへの音源収益未払い、暴言疑惑にはじまり、果てには代表の横領疑惑まで出るなど、内部の不祥事によって崩壊の一途を辿っている。
そのような状況のなか、12月5日には大御所女優ユン・ヨジョンがHOOKからの退所を発表した。ユン・ヨジョンは、映画『ミナリ』で韓国俳優としては初めてアカデミー賞助女優賞を受賞した人物として世界的に知られている大女優だ。
彼女の退所が騒動による影響なのか、それとも契約満了による円満なものなのか真実は不明だが、先の諸問題がチラつくのは致し方ないことではないだろう。
事務所を支える人気タレントが立て続けに2人も去ったHOOKには今、誰が残っているのだろうか。
最初に名前が浮かぶのは俳優のイ・ソジンだ。彼はこれまで『イ・サン』『火の鳥』『チュオクの剣』『エージェントなお仕事』などに出演し、日本でもよく知られた存在ではないだろうか。
そして、『トキメキ☆成均館スキャンダル』『キム秘書はいったい、なぜ?』『気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!』『月水金火木土』など、多くのラブコメドラマでヒロインを演じてきた女優パク・ミニョンも在籍している。
ただ、パク・ミニョンには黒い噂も付きまとっている。11月10日に警察が行ったHOOK社屋への家宅捜索は、今年秋頃に発覚したパク・ミニョンの元恋人の影響もあるのではと噂された。
そんな2大人気俳優のほか、Disney+『キミと僕の警察学校』やイ・ソジン主演の『内科パク院長』などに出演した若手俳優ソ・ボムジュン、イ・スンギ主演ドラマ『マウス』への出演経験があるモデルのキム・ミンス、2000年生まれの新人女優チェ・ギュリの3人が所属している。
そしてHOOKの重鎮と言えるのがベテラン女性歌手のイ・ソニ。彼女は1984年にデビューし、還暦を目前に控えている韓国の国民的ボーカリストだ。
イ・ジュンギ主演の映画『王の男』の劇中歌を歌ったり、2002年日韓W杯では光化門(クァンファムン)広場一帯で韓国代表の応援歌を熱唱したりと、韓国芸能界でも大御所として知られている。
実はHOOKは、イ・ソニのマネージャーだったクォン・ジニョン代表が独立・設立した事務所だ。長年苦楽を共にしてきたパートナーが、イ・スンギを奴隷のように扱い、暴言を浴びせていたことは知っていたのだろうか。
そもそもイ・スンギは、イ・ソニが自ら発掘してデビューまで面倒を見てきた、いわゆる“愛弟子”だ。2004年アテネ五輪、2006年ドイツW杯などの応援ステージに2人で立ったこともある。
一連で明らかになった暴言の録音ファイルで、クォン・ジニョン代表は「こんな内容証明も送ってくるのだから、出るとこに出るつもりみたいだ。私の名をかけて消してやる。私の残りの人生はイ・スンギを消すことに使う」と、興奮気味に話していたという。
徐々に明らかになっているクォン・ジニョン代表の悪行について、イ・ソニは今、どのような心境なのだろうか。
(文=サーチコリアニュース編集部K)
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