韓国で交際相手の女性を殺害し、約1年間「キムチ冷蔵庫」に遺棄した容疑で起訴された40代男性が、遺族と合意するための時間を裁判所に要請した。
11月13日、法曹界によると、男性A氏(41)側の弁護人は全州(チョンジュ)地裁群山(クンサン)支院・刑事1部(ペク・サンビン部長判事)の審理で行われた殺人および死体遺棄などの容疑に対する初公判で、「公訴事実をすべて認める」とし、「遺族との合意に向けて時間が必要なので、期日をもう一期だけ続行してほしい」と要請した。
裁判所はA氏側の要請を受け入れたが、「すでに遺族は“被告人と合意する意思はない”という意思を明らかにしており、厳罰の嘆願書まで提出している。続行の要請は受け入れるが、合意進行の過程でこの点を知っておいてほしい」と付け加えた。
被害女性B氏の遺族は、この日の裁判所と被告側のやりとりを聞きながら嗚咽していた。
A氏は昨年10月20日、群山市曹村洞(チョチョンドン)のとあるマンションで、当時数年間交際していた恋人女性B氏を絞め殺した容疑を受けている。
殺害したB氏はバッグに入れ、キムチ冷蔵庫に約1年間遺棄した。併せて、B氏名義で約8800万ウォン(日本円=約92万円)を借りて生活費として使った容疑などもある。
A氏は犯行後も故人の携帯電話を使って遺族と連絡をやり取りし、あたかもB氏が生きているかのように装った。
しかし、B氏の妹は、姉が電話ではなくメッセージでしか連絡してこない点を不審に思い、9月に警察へ失踪の疑いで通報した。
A氏はその後、警察官がB氏の携帯電話に連絡してくると、当時同居していた別の女性C氏に電話を代わりに受けるよう指示した。
だが、警察の執拗な追及によってC氏が「私はB氏ではない」と明かしたことで、完全犯罪を目指していたA氏の努力は、約11カ月で水泡に帰すことになった。
B氏は亡くなって約1年が経過していたにもかかわらず、比較的損傷の少ない状態で発見された。A氏がキムチ冷蔵庫の設定温度をかなり低く設定していたためだ。
A氏は捜査機関において、犯行動機について「B氏が“なぜ言われた通り株に投資しないのか。私の言う通りにしていれば損をしなかったのに”と自分を無視したので、腹が立って犯行に及んだ」という趣旨で供述した。
なお、A氏の次の裁判は12月11日に行われる。
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