その国の治安状態を正確に知るためには、殺人事件の被害率が参考になる。
というのも、警察に認知されないこともある軽微な犯罪と違って、殺人事件はどの国でも検挙率が最も高い犯罪だからだ。
国連薬物・犯罪事務所(UNODC)の「Intentional homicide, count and rate per 100,000 population (1995 – 2011)」によると、2011年の日本の殺人事件の件数は442件。
この数字は「意図的な殺人」だけをカウントしたものなので、警察庁の発表する数字とは異なる点に注意したい。
日本の10万人当たりの殺人被害率は「0.3人」と非常に低く、これは世界的にも最低レベルだ。日本と同様に殺人被害率が0.5人を下回る国は、シンガポールや香港くらいしかない。
それに比べて韓国は、殺人事件の件数が1251件と日本の3倍近くになる(2011年の同統計は出ていないため、同2010年の数字)。
何よりも、10万人当たりの殺人被害率はさらに高い。
なんと10万人当たり「2.6人」で、日本の6倍を超える数字だ。韓国と同水準の国を捜して見ると、バングラディッシュ(2.7人)やモンテネグロ(2.5人)ということになる。
そんな韓国では近年、10代の犯罪が日増しに凶悪になっており、また再犯率が大幅に増加しているという。
韓国警察庁の統計によると、前科9犯以上の未成年は、2008年当時は953人だったが、2012年になると3362人と4倍近くも増えた。これは未成年犯罪者数そのものが増えただけではなく、同じ犯罪者が第2、第3の犯行に走った結果と分析されている。
未成年犯罪者が再犯を繰り返すことについて、韓国の専門家たちは、刺激的なネット媒体や社会的ストレスなどを挙げている。
理由はいくつかあるのだろうが、先進国を自称するのであれば、一日も早い改善が必要だろう。
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