女性嫌悪騒動を巻き起こした韓国の人気ウェブ漫画家、キアン84(本名キム・ヒミン)の苦難が続いている。
彼が連載中のウェブ漫画『復学王』を連載中止にしろとの要求が出てきたのだ。
さらにその矛先は、『復学王』を掲載している韓国No.1ウェブ漫画プラットホーム「NAVERウェブトゥーン」にも飛び火している。
基本所得党ジェンダー政治特別委員会、漫画界性暴力対策委員会、UNIVFEMIなどの女性団体は8月19日、『復学王』が連載されているNAVERウェブトゥーン本社があるKRAFTONタワー前で、記者会見を開いた。
彼女たちは、NAVERユーザー1167人のIDを記した署名要求案をNAVERウェブトゥーン本社に提出した。
その要求はこうだ。
まず「キアン84の『復学王』が女性の性器を暗示する描写、会社の上司と性関係を持った後に正社員になるストーリーなどで、女性嫌悪騒動に包まれた。キアン84は以前にも女性嫌悪、身体障害者の侮辱、移住労働者差別など物議を醸した」と指摘した。
続いて「若者の妊娠に対する不適切な描写で議論となった『チームマム』など、NAVERウェブトゥーンの女性嫌悪、マイノリティ侮辱は一度や二度ではない」とした。
たしかにNAVERウェブトゥーンの“嫌悪”騒動は、今回が初めてではない。
例えば、『復学王』は2019年、聴覚障害者を理性的にも問題がある人のように描写した。それを問題視した全国障害者差別撤廃連帯は、キアン84に公開謝罪を要求している。
2017年にはNAVERウェブトゥーンで連載中の『ビューティフル・グンバリ』が、女性の特定の身体部位を押し出して性的対象化し、女性軍に対する歪曲された認識で連載中止運動に巻き込まれた。
同年、日本でも知られるウェブ漫画『外見至上主義』は、地方学生がジャガイモだけを食べているように描写して地域差別との批判を受けた。これらの作品は騒動を起こしたものの、現在も連載中だ。
「NAVERウェブトゥーンは利用率1位のポータルサイトにもかかわらず、当然負うべき社会的責務を果たせていない」と、女性団体から非難されるのも当然かもしれない。
事実、NAVERウェブトゥーンの利用規約には「公序良俗に反する行為」を禁止するという条項があるだけで、性差別や少数者差別などに対する具体的な制裁規定がないからだ。
彼女たちは最後に「NAVERウェブトゥーンは『復学王』の連載を中断し、公式連載作品が女性嫌悪やマイノリティ侮辱の内容を込めている場合、措置せよ」とし、「NAVERとNAVERウェブトゥーンは利用規則に明確な制裁条項を新設せよ」と促した。
いずれにしても今回集まった女性団体たちがキアン84の『復学王』はもちろん、韓国No.1ウェブ漫画プラットホームであるNAVERウェブトゥーンまで問題視していることは間違いない。
『復学王』から始まった騒動は沈静化するどころか、ますます大きくなっていきそうだ。
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