ソウル地下鉄で女性を盗撮して逮捕された元判事の男が、弁護士として復帰するという。
国会議員の息子であるその男は2017年7月、地下鉄で女性の体を盗撮し、現行犯逮捕された。
当時の韓国メディアはその様子を「携帯電話で盗撮していたところを、隣にいた男性に押さえられて、逮捕された。携帯電話からは、女性の身体を写した写真3枚が発見された」と伝えていた。
韓国で“盗撮”は社会問題となっており、一般人だけでなくK-POPアイドルなども被害に遭っている。
海水浴場やプールなども“現場”になっているが、ここ数年で盗撮が増えているのは、地下鉄だろう。
ソウル地下鉄の盗撮事件の件数は、2016年の587件、2017年643件などと毎年増加傾向にある。
ソウル警察庁の調査によると、ソウル地下鉄で盗撮を行った加害者たちの職業は、サラリーマン437人、無職181人、学生181人、自営業者37人、サービス業28人と、サラリーマンが圧倒的に多い。だが前出の判事のように、社会的地位が高い職種の男たちも盗撮をしているのが現実だ。
そんな卑劣な男が弁護士として復帰するというのだから、看過できない。
1月8日、大韓弁護士協会は登録審査委員会を開いた結果、委員9人中7人の賛成によって、“盗撮判事”の弁護士登録申請を受け入れたと発表した。
その根拠は、韓国弁護士法5条にある。
弁護士法5条には、「禁錮以上の刑を宣告され、執行が終了するか、執行を受けないことが確定した後5年が経過しない者、禁錮以上の刑の執行猶予を宣告され、その猶予期間が終わり2年過ぎていない者などは、弁護士になることができない」とある。
逮捕された“盗撮判事”は当時、警察の調査に対して「カメラのアプリを触っていたら撮影されてしまった」などと容疑を否認。略式起訴が行われ、罰金300万ウォン(約30万円)となった。また判事の品位を傷つけたため、減給4カ月の懲戒を受けている。
ただ罰金であったため、上記の弁護士法5条には該当しない。そのため今回、弁護士登録が認められたそうだ。
当然ながら韓国ネットユーザーたちの反応は荒れている。
「罰金で済ませたのも、政治家の息子だからだろ」「韓国の法曹界が腐っていることをよく表してくれる事例だ」「大多数の協会がやっていることは、自分たちの権益を守ることだけ。正義や道徳なんてない」「盗撮犯罪者の弁護には長けているはず」
弁護士として復帰したとして、その男に弁護を依頼する人はいるのだろうか。いずれにしても韓国社会の根深い闇が垣間見える事例だ。
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