創業家内で親子兄弟が経営権をめぐって争いを繰り広げ、日韓両国で批判を受け続けているロッテ。何かと話題に事欠かないロッテで、またひとつ新たな不祥事につながりそうなニュースが報じられている。
ロッテ傘下で韓国屈指のディスカウントチェーン「ロッテマート」が、取引業者に原価よりも安い価格での納品を強要していたというのだ。
現在、韓国公正取引委員会が本格調査に乗り出しており、真相究明が期待されている。 今回の調査は、ロッテマートに豚肉を納品している業者からの通報が発端だった。ロッテマートに3年間、豚肉を納品してきたという業者は、ロッテマートの買い叩きによって、計100億ウォン(約10億円)の損害を受けたと主張している。
ロッテマートでは、“サムギョプサル・デー”などの割引イベントを開催しているが、買い叩きはそのイベントに合わせて行われていた。その業者によると、ほかの取引先にはサムギョプサル1キログラム当たり1万4500ウォン(約1450円)で納品しているが、ロッテマートの割引イベント中は9100ウォン(約910円)で納品しなければならなかったという。つまり、通常価格から約40%も買い叩きを受けていたのだ。
年間契約の中でイベント期間だけ割を食っていたというのであれば、まだ問題は小さかったかもしれない。
しかしロッテマートは、同業者からイベント期間は9100ウォンで37トン購入し、それ以外の通常価格のときは1トン未満しか購入していなかったという。この事実だけを見ると、買い叩きは確信犯としか思えない。
被害を受けたという納品会社社長は、「イベントで2億ウォン(約2000万円)の赤字が出て、(それ以外の期間に)ロッテマートが1000~2000万ウォン(約100~200万円)を保全してくれても、(年間では)1億8000万ウォン(約1800万円)以上の赤字。我々は協力業者ではなく、“奴隷業者”だったようだ」と嘆く。
そんな奴隷扱いをしておきながら、事あるごとにロッテマートの担当者を接待しなければならなかったそうだ。
ロッテマートの関係者は「業者の一方的な主張だけを聞いても納得できないため、公正取引委員会に追加調査を要請した」と話す。真相は今後の調査次第という段階だが、実はロッテマートには“前科”がある。
ロッテマートは2014年末、商品の宣伝のための試食行事費用を納品業者に転嫁したことで、課徴金13億8900万ウォン(約1億3900万円)を課せられた。また2013年にも、スポーツイベントを開くにあたって納品業者に協賛を要求したことで、課徴金3億3000万ウォン(約3300万円)を命じられている。
韓国では、ロッテに対する批判の声が噴出。「ロッテ商品は不買でなければならない」「本当にロッテは悪いグループだ」「買い叩きロッテ」「だから私はロッテには行かない」などの批判が相次いだ。 お家騒動や国籍問題、そして今回の買い叩きなど、問題が続出しているロッテ。失った信用を取り戻せる日は、はたして訪れるのだろうか。
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