韓国では昨年から政府がタバコ料金を値上げてして大規模な禁煙キャンペーンを実施しているが、タバコの売上量は伸びているようだ。
調査機関ニールセン・コリアが7月20日に発表した調査結果によると、2016年度上半期の韓国国内タバコ販売量は353億969万1400箱。昨年の同時期（310億679万6000個）よりも14％増加したという。
韓国の健康保健福祉部は今年5月、国民健康栄養調査をもとに2015年度の成人男性の喫煙率が39.3%になったとし、喫煙率集計を始めた1988年以降、初めて喫煙率が30％台になったことを「政府の禁煙キャンペーンが一定の成果を上げている」としたが、タバコの売上は落ちていないどころか、増えていることがわかった格好だ。
業界関係者によると、どうやらそれなりに理由があるらしい。
「2015年からタバコ税が一気に2000ウォン（約200円）も値上がりしたことで2014年末に買い占め騒動が起き、禁煙人口が増加したりもしたが、昨年末あたりから値上がりした価格が消費者たちの間でも定着した」ようで、それが今年上半期の販売量に繋がっていると見ている。
韓国政府はタバコの販売価格を値上げしたり、タバコのパッケージに警告文を掲載。さらに学校絶対浄化区域内の小売店では、タバコ広告を禁止しその範囲を拡大していくなど、禁煙政策を次々と打ち出しているが、タバコの販売数は落ちていない。
こうした現状を目の当たりにした韓国のネット住民たちの意見はさまざまだ。
「タバコの価格だけ値上げして、禁煙政策はこれといって展開していないくせに」
「国民の禁煙が目的ではなく、税収が目的だろ？」
「喫煙率が減少すれば禁煙政策の成功だと宣伝し、喫煙率が高くなれば税収が増えて拍手する。本当に稚拙な政府だ」
韓国で続くタバコとの“戦争”。喫煙と禁煙の一進一退は続く。
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