去る8月、東京・六本木交差点付近でマスクを着用していない男性3人組のタクシーへの乗車を運転手が拒否し、男性が運転手を小突くなど暴行する事件があった。日本に限らず、コロナ禍ではマスク着用に関するトラブルが相次いでいる。もちろん、お隣・韓国も例外ではない。
去る8月6日、京畿道(キョンギド)内にある体育公園では、ノーマスクの容疑者A氏が施設管理を担当する職員から「マスク着用」を要求された。しかしA氏はそれを拒否し、凶器を取り出して職員を恫喝。さらに駐車場でも注意を受けた彼は、自分の車に乗り込み、制止する職員たちを車で押しのけて逃走した。
A氏は現場から5kmほど離れた道路で、追跡に出た警察によって捕捉された。逮捕を拒否する彼は、凶器を振り回して威嚇を続けた結果、警察官によるテーザー銃(遠距離用スタンガン)の狙撃を受けて、あえなく御用となった。
事件当時、A氏は飲酒や薬物などは摂取していない素面の状態であり、「特殊脅迫」「特殊暴行」「特殊公務執行妨害」などの容疑で拘束された。
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制止する職員を振り切って車を動かすA氏に対してネット上では、「マスク着用絡みの事件を見ると私の職場でも起こりそうで怖い」「つければいいだけなのに、なんでそこまでムキになるんだろう」といった意見が目立った。また、なかには「マスクを着けない人が本当に信じられない。私がぶん殴りたい」などと、過激なコメントを出す人までいた。
また、昨年の夏には出勤中の50代男性が、ノーマスクを指摘されたことに腹を立て、注意した乗客の顔を思い切り殴りつけるなどの暴行をして、懲役1年8カ月が宣告される事件もあった。この他にも、お客にマスク着用を注意した店員に珈琲を投げつけるなど、多岐に渡ったノーマスクトラブルが後を絶たない。
京畿道警察の発表によると、公共交通機関や室内・外のマスク着用是非と関連し、今年1月から8月6日まで警告を受けた人は、合計で273人に上り、そのうち4人が拘束されたという。マスク着用に関するトラブルの種別は、暴行・傷害が155件(全体の56.8%)で最も多く、業務妨害59件(21.6%)、脅迫19件(7.0%)、特定の犯罪加重処罰などに関する法律違反17件(6.2%)、公務執行妨害や侮辱などその他が23件(8.4%)となる。
全国的な数字は残念ながらまだ出ていないが、ひとつの地域だけでこれだ。おいそれと注意することすら恐ろしくなる。
世界的なパンデミックの状況下で、公共の場でのマスク着用は最低限のマナーだ。この猛暑でマスク着用するのが嫌な気持ちは十分にわかるが、ある程度の理解は示すべきだろう。
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