値上げしてもたばこ販売量は減少どころか増加する?【韓国の場合】

2021年10月07日 社会 #社会問題 #市場調査
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日本のたばこ税が10月1日から引き揚げられた。値上がりによって当然、たばこの販売量が低下することが予想さるが、かつて韓国では政府がたばこ料金を値上げてして大規模な禁煙キャンペーンを実施しても、たばこの売上量は伸びた時期があった。

それは今から5年前のことだ。調査機関『ニールセン・コリア』が2016年7月20日に発表した調査結果によると、2016年度上半期の韓国国内たばこ販売量は353億969万1400箱。前年の同時期よりも14%(310億679万6000個)増加したという。

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韓国の健康保健福祉部はこの年の5月、国民健康栄養調査をもとに2015年度の成人男性の喫煙率が39.3%になったとし、喫煙率集計を始めた1988年以降、初めて喫煙率が30%台になったことを「政府の禁煙キャンペーンが一定の成果を挙げている」としたが、たばこの売上は落ちていないどころが、増えていることがわかった格好だった。

なんともバツの悪い結果だったが、業界関係者によると、どうやらそれなりに理由があったらしい。

「2015年からたばこ税が一気に2000ウォン(約200円)も値上がりしたことで2014年末に買い占め騒動が起き、禁煙人口が増加したりもしたが、昨年末あたりから値上がりした価格が消費者たちの間でも定着した」ようで、それが2016年上半期の販売量に繋がっていると見ているというものだった。

韓国政府はたばこの販売価格を値上げしたり、たばこのパッケージに警告文を掲載。さらに学校絶対浄化区域内の小売店では、たばこ広告を禁止しその範囲を拡大していくなど、禁煙政策を次々と打ち出していたが、たばこの販売数は落ちていなかったのだ。

こうした現状を目の当たりにした韓国のネット住民たちの意見はさまざまだった。

「たばこの価格だけ値上げして、禁煙政策はこれといって展開していないくせに」

「国民の禁煙が目的ではなく、税収が目的だろ?」

「喫煙率が減少すれば禁煙政策の成功だと宣伝し、喫煙率が高くなれば税収が増えて拍手する。本当に稚拙な政府だ」

韓国で続くたばことの“戦争”。喫煙と禁煙の一進一退は今も続くが、またもや値上げとなった日本はどうなるか。注目してきたい。

文=サーチコリア編集部

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