10月31日はハロウィン・デーだが、周知の通り、世界は今、新型コロナ禍の中にあり、いまだ沈静化はされていない。
それだけに昨年同様、今年も中止や自粛を呼びかける声が多くなりそうだが、そもそも韓国ではハロウィンが盛り上がれば盛り上がるほど、頭を抱えている人たちもいたと言われている。
例えば幼い子を育てる保護者たちだ。韓国ではハロウィン熱が子供たちの間にも広がり、幼稚園やちびっこ英会話教室などでも仮装イベントを行なうところが増えていたが、子供たちの仮装欲求が年々エスカレートしていて、その出費が膨らんでいたというのだ。
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過去に「ハロウィンのせいで全国の幼稚園が騒がしい」と報じた韓国メディア『WIKITREE』によると、韓国の幼稚園児たちはハロウィンになると、それぞれ人とは違ったキャラクターに扮しようと競い合い、親に衣装をねだったらしい。保護者たちもわが子可愛さにかなりの額のお金を使うという。
近年、韓国ではそれまで“オドック(韓国のオタク)たちのものと思われていたコスプレが徐々に一般にも広がっているが、ネット上にアップされているコスプレイヤーを参考にする保護者までいるというのだ。
韓国の祝日も名節もまだわからない5~6歳の子供が、海外のお祭りであるハロウィンの意味もわからず、流行だけを追って仮装する。
子供可愛さに、年に一度しか着ないどころか、翌年には去年着たという理由だけで袖を通すこともない衣装のために数十万ウォン(数万円)を使う保護者までいるという現実。
ハロウィンは子供や保護者たちに、“目に見えない競争”を強いているだけだと指摘するメディアも多かったのだ。
また、ハロウィンそのものを否定する意見もあった。
2016年に韓国の就職サイトが大学生180人を対象に実施した「ハロウィンの楽しみ方」というアンケート調査があったのだが、10人に3.5人が「ハロウィンを楽しみしている」と答えたことは紹介。それは裏返せば6.5人がハロウィンにさほど関心を示していないことでもあった。
実際、このアンケート調査でも64.4%が「ハロウィンを楽しまないだろう」と答えたという。そのうち31%の大学生が「ホワイトデーのような商業性の強いイベントだから」と答え、27.6%が「外国の文化を真似て追随しているだけだから」と答えている。
韓国では昨今、自国を“ヘル朝鮮”と揶揄する若者たちが増えているが、彼らからすると、ハロウィンは“主義も意義もない能天気なバカ騒ぎ”にしか映らないのかもしれない。
また、そのバカ騒ぎのせいでトラブルなども絶えないという。韓国メディアの報道によると、韓国ではハロウィンの時期になると、ソウルの梨泰院(イテウォン)の街並みが通常よりも30%多い18万人以上(警察発表)の人々で埋め尽くされ、その陰で喧嘩や泥酔、騒音苦情やゴミの不法投棄など、トラブルも絶えないというのだ。
ハロウィンが大衆化したことで、日本も韓国も同じような問題や指摘が起きているが、新型コロナの影響でハロウィンが延期・自粛される今年は大きなトラブルもなさそうだが…。
いずれにしても、来年には新型コロナも落ち着き、誰もが気持ちよく「ハッピーハロウィン!!」と言い合える一日になることを願うばかりだ。
文=慎 武宏
*この原稿はヤフーニュース個人に掲載した記事を加筆・修正したものです。
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