安定した収入を得られる国家公務員は、日本だけではなく、超学歴社会の韓国でも人気の職業だ。
韓国の公務員は、まず最上位の1級から9級まで等級が別れているのが特徴であり、9級、7級、5級の各試験を突破すれば、その等級からキャリアが始まる。5級が幹部候補で、一般的には最も低い9級から始める人が多い。
国家公務員は韓国では長らく「なりたい職業」アンケートで毎年トップの位置を譲らなかった。しかし、そうした公務員人気にも陰りが見え始めたようだ。
【関連】「中小企業は人手不足、若者は最低の就職率」就職難の韓国で奇妙な現象のワケ
「2022年度国家公務員公債試験競争率」を見ると、785人が合格する7級公債試験の受験者数は3万3527人であることがわかった。合格率は42.7倍だ。
かなりの倍率の高さだが、実はこの数字は1979年(23.5倍)以来、最も低い競争率である。9級公債試験の競争率も同様で、今年の競争率は29.2倍。1992年の19.3倍以来、30年ぶりに最も低かったことがわかった。
公務員試験競争率の下落について関連するのが、若者たちの趣向の変化だろう。韓国統計庁が毎年公開する「社会調査」資料によると、「なりたい職業」で2009~2019年まで10年間1位だった「国家公務員」が、2020年には「大企業社員」に抜かされたことからもわかる。
こうした時代の変化に韓国内でも「公務員人気が低いということは、経済がうまく回っているということ」「公務員の待遇も昔に比べて悪くなっていて、かつてのような魅力がないからだ」「友人が公務員になって4年だが、驚きの低賃金だった」「細くて長いのが公務員、太くて短いのが企業。最近の若者の好みがわかるようだ」と様々な意見があがった。
国家公務員となり安定を狙うか、大企業を狙い勝負に出るか。韓国の若者たちの選択は極端だ。
(文=サーチコリアニュース編集部)
前へ
次へ