韓国の消防官の1食あたりの給食単価が3000ウォン(約328円)台であることが明らかとなり、懸念の声が広がっている。
10月4日、国会行政安全委員会所属のハン・ビョンド議員室が消防庁から提出された資料によると、全国の消防署の中で給食単価が最も低いのは、大邱(テグ)のA消防署で3112ウォンだった。
続いて慶尚南道のB消防署が3852ウォン、全羅北道のC消防署が3920ウォンと判明した。この調査は、消防庁が全国241の消防署のうち、地域ごとに1カ所の給食単価を標本調査した結果だ。
コンビニ弁当にも満たない金額であることはもちろん、ソウルの公立高校の無償給食単価(5398ウォン)や、ソウル市の欠食憂慮児童のための給食単価(9000ウォン)と比べても、あまりにも低い水準といえるだろう。
ただ、ここにはからくりもある。韓国の公務員の定額給食費(14万ウォン)は、一般行政公務員の場合、1カ月20食(1日2食)を基準としているが、現場勤務の公務員(3交代勤務者)は1カ月30食(1日3食)を基準としているため、1食あたりの単価が大きく下がることになるのだ。
それでも緊急時には命懸けで消火活動にあたる消防官たちに満足な食事をさせていないことに対して、懸念の声が広がっている。
「牢屋にいる奴らのほうが美味しいものを食べている」「大統領や国会議員が毎日食べている高価な料理を削って、消防官たちに届けろ。涙が出てくる」「せめて栄養価の高い食事をしてほしい」「消防官は危険な仕事なのに。こういうところに税金を使ってくれ」
資料を公開したハン・ビョンド議員は「消防官の一食は『国民を救う力』であり、今こそ消防力を阻害する貧弱な給食を終わらせるときだ。消防庁は人事革新処とともに、現場勤務者の定額給食費引き上げの議論を開始し、各市・道ごとの給食システムの全数調査および条例制定を通じて、給食システムの統一化を推進することを検討する必要がある」と強調した。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
■韓国で頻発する「不注意による事故」や「人災」、国民の安全意識はどうなっているのか
前へ
次へ