韓国・ソウル冠岳区新林洞(クァナクク・シンリムドン)のとあるマンションで凶器を利用した無差別襲撃事件が発生し、男性2人が負傷し、容疑者が死亡した。
6月30日、冠岳警察署などによると、前日29日の20時30分ごろ、新林洞のとあるヴィラで30代の男性A氏が、同じ建物に住む20代および30代の被害者に凶器を振るった。
被害者たちは肩や足首などにけがを負い病院に搬送されたが、命に別状はないという。最近になってA氏と同じ建物に引っ越してきたという被害者たちは、「Aとは面識がない関係だった」という趣旨の供述を警察に行ったと伝えられている。
事件直後、出動した警察は容疑者を捜索中、A氏を建物の屋上で発見したが、A氏はすぐに飛び降りたという。A氏は心停止状態で病院に搬送されたが、最終的に死亡が確認された。
警察がA氏と対面し、言葉を交わしたり対峙したりしていたわけではなく、被害者たちも犯行の意図を推察できない状況であるため、A氏の犯行の動機はまだ明らかになっていない。
有力な容疑者であるA氏の死亡により、今回の事件は「公訴権なし(不起訴)」で終結する可能性が高くなっている。
ただ、警察は被害者たちの病院での治療が終わり次第、調査を行うなど、事件の経緯および犯行動機の解明に向けた捜査を続ける方針である。
なお、ソウル新林洞では2023年7月21日にも30代の男性チョ・ソンによる無差別襲撃事件が発生し、通行人1人が死亡、3人が負傷した。
当時、チョ・ソンがソウル地下鉄新林駅一帯の繁華街を走り回りながら犯行を行う場面や、犯行直後に警察官の前で「××のようだったから殺した」と平然と語る場面などが収められた映像がネット上に公開され、周辺住民に憤りと恐怖を与えた。
殺人および殺人未遂などの容疑で起訴されたチョ・ソンは、昨年9月12日に最高裁で無期懲役が確定し、現在服役中だ。
(記事提供=時事ジャーナル)
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