流産を経験した妻が性交渉を拒否したことに逆上して殺害した30代の夫に、懲役25年の実刑判決が下された。
ソウル南部地裁刑事合議11部(チャン・チャン裁判長)はこのほど、殺人の罪に問われた30代の男性ソ氏に対する判決公判を開き、懲役25年を言い渡した。
判決理由については「殺人は理由を問わず、決して容認できない重大犯罪だ」と前置きした上で、「被告人は妻から“性交渉に執着する人間”だと思われ、さらに母親を侮辱されたと考えたことに囚われ、妻の首を絞めて口をふさいで殺害した」と述べた。
さらに「被告人は被害者遺族の前で平然と“悲しい夫”を演じ、葬儀場で逮捕された。逮捕後も供述を翻すなど、犯行後の態度は極めて狡猾で反人倫的だ」と厳しく非難した。
ソ氏の弁護人は殺害自体は認めたものの、性交渉拒否への不満が動機だったとする公訴事実や犯行方法については否認した。
これに対して裁判部は「被害者の知人たちの証言を総合すると、過度な性交渉の要求が夫婦間の主な葛藤要因だったとみられる」とし、「言い争いの末に首を絞めたとする供述には信憑性が乏しい。むしろ睡眠薬を服用して眠っていた妻を絞め殺したと認められる」と判断した。
また「被告人は葬儀場で悲しむふりをしながら逮捕され、その後も犯行を否認し続けた。不利な証拠が出るたびに少しずつ供述を変えていった。被害者は最も安全であるべき家庭で、伴侶から無惨に殺害された。息が止まるまでの苦痛や恐怖、そして裏切られた思いは想像を絶する」と述べた。
ソ氏は結婚からわずか3カ月後の今年3月13日、ソウル・江西区の自宅で酒に酔った状態で妻の首を絞め、殺害した罪で起訴された。
妻の葬式でソ氏は喪主を務め、弔問客を迎えていたが、葬儀が始まってからわずか1日で警察に緊急逮捕された。
捜査段階で容疑を否認し続けたソ氏は、妻の遺体に残された痕跡を示されると犯行を認め、「性的理由から犯行に及んだ」「酒に酔って起こした突発的な殺人だった」と主張した。
検察によると、ソ氏は妻が妊娠初期の段階から繰り返し性交渉を強要しており、妻が流産して出血により治療を受けている状況でも要求し続けていたことが明らかになっている。
また、今年1月には妻から離婚を告げられており、被害者が知人たちに「夫の過度な性的要求がつらい」「結婚を後悔している」とのメッセージを送ったことを知り、逆上して犯行に及んだとされる。
検察は「常識ある人間なら到底受け入れられない動機で妻を殺害した点で罪質は極めて悪質だ」として、無期懲役を求刑していた。
(記事提供=時事ジャーナル)
■「性別が逆なら逮捕」高3の教え子と不倫した韓国教師、体液を調べた配偶者の執念
前へ
次へ