Netflixが「キムチ」を中国語字幕で「辛奇(シンチ)」と表記したことに“大喜び”した韓国教授がいるようだ。
その人物とは、誠信(ソンシン)女子大学の教授で自らを「韓国広報専門家」と称するソ・ギョンドク教授。彼は最近、自身のフェイスブックで「11月22日の『キムチの日』を迎え、多くのネットユーザーから情報提供が寄せられた。確認したところ、『フィジカル100: ASIA』第12話でキムチの中国語字幕が『辛奇』と表記されていた」と伝え、キムチを中国語字幕で「辛奇」と表記した『フィジカル100: ASIA』の放送画面を公開した。
日本では馴染みが薄いが、韓国ではキムチの中国語表記に強いこだわりを持っている。中国がキムチを「自国の文化」と主張している状況が背景にあるからだ。
韓国政府の文化体育観光部は2021年、「公共用語の外国語翻訳および表記指針」を一部改正し、キムチの正しい中国語表記を「辛奇」と定めた。ただ、世界的にはキムチを「辛奇」ではなく、中国の伝統料理「泡菜(パオツァイ)」つぃて訳すことが多いのが現状だ。
実際、日本の牛丼チェーン「松屋」でもキムチの中国語表記が「泡菜」と表記され、一部で注目を集めたこともあった。Netflixも同じく、多くの作品でキムチを「泡菜」と訳してきた。
加えて、韓国の無形文化遺産と知られる多くの文化が中国で「自国の遺産」として管理されている実態もある。
韓国国会の文化体育観光委員会に所属するパク・スヒョン議員が2024年10月4日に国家遺産庁から受け取った資料「中国が自国文化遺産として指定した韓国遺産の現況」によると、「朝鮮族」関連という名目で、中国の「国家級」無形遺産で20件、「省級」遺産で81件の韓国遺産が指定管理されているという。
そして、「キムチの製造方法」も、中国では吉林省・延吉市の伝統技芸として指定されているのだ。
「中国ではキムチの起源が『泡菜』であるとする“キムチ工程”を絶えず展開している」と、キムチの中国語表記問題に強く指摘したソ教授。そのうえで「今回のNetflixの『辛奇』表記は、極めて歓迎すべきことである」と喜びを綴っていた。
「Netflixが持つ世界的影響力は非常に大きいだけに、今回の『辛奇』表記は中国の無理な主張を無力化する良い手本になる。今後もグローバルOTT(オンライン動画サービス)におけるキムチ表記が多言語で正しく行われるよう最善を尽くす」。ソ教授は最後にそう意気込んでいたが、今後ほかの場面でもキムチの中国語表記が「辛奇」へと変更されていくのか注視を続けたい。
(記事提供=スポーツソウル日本版編集部)
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