衛生面の問題から一部で避けられていた中国産キムチだが、韓国で過去最大の輸入量を記録したことがわかった。
韓国の食品医薬品安全処によると、2024年のキムチ輸入量は計36万7158トンだった。そのうち、中国産キムチが31万1157トンを占めた。
韓国に輸入されたキムチの実に84.7%が中国産というわけだ。
中国産キムチの輸入量は年々増加しており、2022年の26万3502トン、2023年の28万7179トンに続き、2024年は30万トンを超えた。
輸入量だけでなく、輸入額に占める中国産の比率はさらに圧倒的だ。
韓国関税庁の輸出入貿易統計によると、2024年のキムチ輸入額は計1億8986万ドル(約295億6000万円)で、前年に比べて16%増加した。そのうち、中国から入ってきたキムチの輸入額は1億8975万ドルで、全体の99.94%を占めている。
キムチ業界では、2024年に輸入されたキムチの量をすべて白菜キムチと仮定した場合、中国産キムチが国産の白菜需要を40万トン以上代替したと見ている。これは韓国における年間白菜生産量(約200万トン)の20%に相当する。
それほど中国産キムチが韓国で幅を利かせているということだが、この結果は意外だ。
実際、韓国農水産食品流通公社の「2024年(2023年基準)キムチ産業実態調査分析報告書」によると、輸入キムチを購入する意向がない消費者の割合は81.7%に達していた。
しかし結果は過去最大の輸入量となっている。
一部からは、中国の「裸キムチ」騒動がむしろ中国産キムチの品質向上の契機になったとの指摘もある。
この裸キムチ騒動とは、2021年、中国男性が服を脱いで水槽に入り、白菜を漬ける様子を撮影した動画が公開され、韓国内で大きな波紋を呼んだ騒動のことだ。その結果、中国産キムチの衛生面を疑う人が急増することになった。
前出の「キムチ産業実態調査分析報告書」で、輸入キムチを購入しないと回答した人々の理由として最も多かったのも「衛生面など安全ではないと感じるから」(73.9%)だった。
そういった騒動が影響したのか、韓国の食品医薬品安全処は2021年から義務適用を段階的に実施し、2024年10月からは食品安全管理認証基準(HACCP)の認証を取得した現地業者が生産したキムチのみを輸入できるよう制度を変更している。
「キムチ宗主国」を自称する韓国の現状について、オンライン上では「輸入には反対だと言いながら、最近ではキムチを作ったことすらない人が多い」「キムチだけが中国産というわけではなく、韓国全体の半分を中国人たちが支配している」「一般の飲食店の99.9%が中国産キムチだ」「中国産キムチを食べるくらいなら食べないほうがましだ」といった反応が寄せられた。
今後も韓国では中国産キムチの輸入量が増加していくのか、注目される。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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