“孤独社会”まっしぐら…韓国で5人に1人が「独居高齢者」の現実、資産も所得も平均以下

2025年12月09日 社会 #時事ジャーナル
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韓国で昨年、1人世帯が初めて800万世帯を超え、全世帯のうちの比重も36%台で歴代最高値を記録した。1人世帯の約20%は70歳以上の独居高齢者であり、半数は孤独を感じていた。

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国家データ処(旧・統計庁)が12月9日に発表した「2025 統計で見る1人世帯」によると、昨年の韓国国内の1人世帯は804万5000世帯で、2021年に716万6000人で700万台を突破して以降、3年で800万人を超えた。

これは青年層の結婚数減少や高齢化時代における死別増加など、多様な要因が複合的に作用した結果とみられる。

全世帯で1人世帯が占める比重は36.1%で、前年より0.6%ポイント上昇し歴代で最も高かった。1人世帯の比重は2019年に30%、2023年に35%を超えたのに続き、毎年最高値を更新している。

年齢帯別で見ると、1人世帯のうち70歳以上が19.8%で最も多く、続いて29歳以下(17.8%)、60代(17.6%)、30代(17.4%)の順となった。高齢化の影響で、70歳以上の比重が2年連続で29歳以下を上回った。

男女別では、男性は30代(21.8%)、女性は70歳以上(29.0%)が最も高かった。

地域別ではソウルが39.9%で最も高く、大田(39.8%)、江原(39.4%)、忠北(39.1%)と続いた。居住形態は一戸建てが39.0%で最も多く、アパートが35.9%を占めた。住宅所有率は32.0%で全世帯(56.9%)よりはるかに低かった。ただし2016年以降、住宅所有率が毎年上昇していることから、格差は縮小傾向にある。

1人世帯は所得・資産・負債のすべてが全体平均より低かった。今年の1人世帯資産は2億2302万ウォン(日本円=約2366万円)で、前年対比5.1%増加した。全世帯(5億6678万ウォン=約6013万円)の39.3%水準だ。負債は4019万ウォン(約426万円)で0.2%増加し、全世帯(9534万ウォン=約1011万円)の42.2%水準と集計された。

昨年の1人世帯の年間所得は3423万ウォン(約363万円)で、前年対比6.2%増加した。ただ依然として全世帯所得(7427万ウォン=約787万円)の46.1%水準にとどまった。所得区間別では1000万~3000万ウォン未満が42.9%で最も多く、続いて3000万~5000万ウォン未満(25.9%)、5000万~7000万ウォン未満(12.2%)の順だった。月平均消費支出は168万9000ウォン(約17万円)で、全世帯(平均世帯員数2.25人)の58.4%水準だった。

働く1人世帯は昨年510万世帯で、前年より42万6000世帯増えた。年齢帯別では50~64歳が26.2%で最も多く、30代(24.4%)、15~29歳(18.6%)の順だった。

写真はイメージ
(写真=サーチコリアニュース編集部)

1人世帯は助けを受けられる人が少ないと感じ、孤独もより多く感じていることが調査でわかった。

「体調が悪い時」(68.9%)、「お金が必要な時」(45.6%)、「憂鬱な時」(73.5%)に助けを受けられると答えた比重は、いずれも全体平均より低かった。また「頻繁に、または時々寂しい」と回答した割合は48.9%で、全体(38.2%)より10%ポイント以上高かった。

人間関係満足度は51.1%で、やはり全世帯(55.5%)より低く、不満足の比重(7.0%)は2.1%ポイント高かった。

昨年、韓国で国民基礎生活保障の給付を受けた1人世帯は139万7000世帯で、前年対比6.3%増加した。全給付世帯のうち、1人世帯は74.2%だった。

(記事提供=時事ジャーナル)

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