韓国の与野党が、10月6日放送のJTBCバラエティ番組『冷蔵庫をよろしく』に出演した李在明(イ・ジェミョン)大統領夫妻をめぐって激しい攻防を続けている。
まず、「共に民主党」は番組を「K-フード広報の目的に合致する放送だ」と評価したうえで、李大統領夫妻の出演を批判した「国民の力」チャン・ドンヒョク代表を告発した。「国民の力」は、国家電算網が麻痺した騒動の最中に収録に参加したのは不適切だとし、李大統領への批判を強めていた。
「共に民主党」パク・スヒョン首席報道官は、自身のフェイスブックで「『OTT(動画配信サービス)を通じたK-フード広報』というテレビ局の秋夕(チュソク/旧盆)特集制作の意図は明確であり、大統領夫妻の一言一句には『K-フードの拡散と輸出と産業化』に対する情熱があふれていた」と評価した。
そして、番組出演を批判した「国民の力」などに向けて「秋夕の民心に便乗しようとした意図は失敗に終わったようだから、国民に謝罪し、『冷蔵庫をよろしく』に出演してみてはどうか」と皮肉った。
同党のチョ・スンレ事務総長もフェイスブックで「国民の力はどこでも、誰にでも、理由もなく撃ちまくる銃乱射犯になってしまった。理性を取り戻すことを望む」と痛烈批判。パク・ホングン議員も「事実関係を滅茶苦茶にかき混ぜて、政争に火をつける国民の力の態度には自然とため息が出る」とし、「秋夕のたった1日だけでも『国益の前に与野党なし』という常識を持ってほしい」と指摘した。
「共に民主党」は7日、チャン・ドンヒョク代表を情報通信網法上の名誉毀損の疑いでソウル警察庁に告発した。大統領室が国家情報資源管理院の火災直後、李大統領の対応を詳しく説明したにもかかわらず、「48時間の行跡は結局嘘だった」と述べたことが虚偽事実の流布だというわけだ。
前日、チャン・ドンヒョク代表はフェイスブックを通じて「李大統領の48時間の行跡は結局嘘だった」とし、「嘘を嘘で覆い隠したが、結局昨日(4日)、先月28日のバラエティ収録の事実を認めた。深刻な国家的災難が発生した状況でどんな考えでバラエティ撮影をしたのか、極端な選択をした担当公務員の出棺を避けて、たかが1日遅らせて放送を強行しようとした発想はどこから出たのか」と批判した。
これに対し、「国民の力」のチェ・ボユン首席報道官は同日の論評で「国家的災難の中でもバラエティカメラの前で笑う姿は国民常識とかけ離れている」とし、「大統領の座はバラエティカメラの前ではなく、中央災難安全対策本部の状況室、国民の不安をなだめる現場であるべきだった」と皮肉った。
続けて「韓国料理を世界に知らせるという趣旨だったそうだが、大統領夫妻が『李在明ピザ』を食べる場面が果たして国家広報に役立ったのかは疑問だ」とし、「『冷蔵庫をよろしく』より『国民をよろしく』が先だ」と指摘した。
ペ・ヒョンジン議員はフェイスブックで、「果たして大韓民国がシャットダウンされるところだった国家災難の状況で、そこに腰を下ろして冷蔵庫を漁りながら、どんな非常措置を執ったのか、明確にしなければならない」とコメント。チュ・ジンウ議員も「李大統領が『冷蔵庫をよろしく』の収録に臨んだ先月28日は、国政資源火災により電算網647個、対国民サービス436個が中断され、金融、物流、出入国、防疫に穴が開いた前代未聞の状況だった。国政資源火災で国民被害が続出するとき、李大統領は2日間も会議の主宰も、現場訪問もなく沈黙した」と語った。
また、「改革新党」のイ・ドンフン首席報道官は、「国政資源火災で国民の不便が極めて深刻だったさなかに、大統領が笑いながら放送を撮影したのであれば国政放棄だ」と批判した。
(記事提供=時事ジャーナル)
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