北京五輪がきっかけになり、これまでくすぶっていた韓国内の中国への感情が暴発気味となっている。
そのきっかけとなったのは、やはり2月7日に行われた北京冬季五輪ショートトラック男子1000mの準決勝だ。韓国のファン・デホンがフィニッシュラインを1位で通過したが、その後のビデオ判定でレーン変更の反則があったとして失格処分になり、中国の選手が決勝に進出。この判定に韓国内で大バッシングが起った。
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韓国内のネット上では中国を罵倒する書き込みなどがあふれ、もはや「平和の祭典」という言葉の意味が虚しく感じられる。
こうしたヒートアップする韓国の“反中感情”は世界的にも注目を集めている。
2月18日、『ワシントンポスト』は「オリンピックが韓国と中国の間の深い亀裂を悪化させている」というタイトルの記事を公開し、オリンピックを通じて韓国の若者層を中心に広がっている反中の雰囲気を扱った。
同記事では「国際的な祭りの場が2つの隣国の歴史・文化、政治的緊張に変質している」とし、オリンピック開幕式に韓服が登場して火がついた中国に対する韓国内の批判を伝えた。
こうした韓国の反中感情を取り上げながらも、『ワシントンポスト』は、両国はお互いに政治・経済的に不可分の関係にあるとし、「中国は韓国最大の輸出・輸入国であり、北朝鮮を抑制するために同盟の中国の役割が必要だ」とした。また「中国もアメリカに対抗してアジアで影響力を育てるためには、韓国との葛藤は(解決すべき)問題」と付け加えた。
韓国の反中感情は、2月12日にソウル大アジア研究所が国内成人男女1031人を対象に、主要国20カ国に対する好感度調査を行った「2021韓国人のアジア認識アンケート調査結果分析報告書」を見てもわかる。
調査の結果、韓国人が「最も信頼する国家」に挙げた国はアメリカ(71.6%)である一方、日本(13.3%)、中国(6.8%)はそれぞれ19位と20位とワースト2カ国に選ばれた。
これまで、韓国内での不信感があるとされる国家のワースト1位は日本が不動の位置にいたのだが、ついに中国がそれを追い抜いた形になる。
今回のオリンピックを通じて、韓国内の反中感情があらわになった。しかし韓国にとって、中国には経済的にも大きく依存しているところがあるだけに、この感情が尾を引かないことを願うばかりだが…。
(文=サーチコリアニュース編集部)
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