韓国大統領選挙を制したユン・ソギョル当選者の公約…「女性家族部」は廃止となるのか

2022年03月14日 政治
このエントリーをはてなブックマークに追加

第20代大統領選挙でユン・ソギョル(尹錫悦)当選者が次期大統領に選出されたなか、存続の危機に立たされた国家行政機関がある。女性家族部(「部」は日本の「省」に相当)だ。

【注目】成人サイト遮断にアイドル外見規制?「検閲」とも批判される女性家族部の迷走

ユン・ソギョル当選者は大統領選の公約として「女性家族部の廃止」を掲げてきた。3月13日、ユン・ソギョル当選者は「もう部としての歴史的な使命を果たしたのではないか」とし、女性家族部廃止の立場を強調した。

ユン当選者は「不公正、人権侵害、権利救済などをより効果的に行うために、より効果的な政府組織を構想しなければならないと思う」とし、「女性・男性という集合に対する対等な待遇という方式では、女性や男性が具体的な状況で経験する犯罪や不公正の問題を解決することが難しい」と述べた。

与党である「共に民主党」は基本的にユン当選者の考えに否定的だが、注目度の高い公約だけに、撤回する可能性は低いと見られている。

ユン・ソギョル当選者

2001年の金大中(キム・デジュン)政権時に初の政府官庁の女性部として誕生し、2005年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時に改編された女性家族部は、戸主制廃止、家庭内暴力特別法の制定、性売買防止法の制定などの成果を出してきた。

一方で、非難も多い。

過去には青少年たちの夜間ゲームシャットダウン制(16歳未満のユーザーは午前0~6時の間、オンラインゲームのプレイを禁じるという法案)や、未成年者への特殊型コンドーム禁止などを打ち出し、非難の的になった。

2019年にはテレビ局などに「性平等番組制作案内書」を配布し、「(放送に痩せた体、白い肌など)同じような容貌の出演者が過度な割合で出演しないようにする」などというガイドラインを提示して批判を浴びたりもした。

実際に2021年7月に行われた韓国社会世論研究所による「女性家族部の廃止」に関する意見を聞いた結果、48.6%が廃止を「適切だ」(「とても適切だ」31.4%、「どちらかといえば適切」17.2%)と答えた。

廃止を「適切ではない」(「とても適切ではない」24.0%、「どちらかといえば適切ではない」15.9%)と回答したのは39.8%で、廃止すべきとの声が上回った。

女性団体からも廃止を求められているのが現状だ。3月14日には、国会前で47の女性団体がデモを行い、女性家族部廃止の公約履行をうながした。記者会見で女性団体らは「女性家族部が高位職者の権力型性犯罪事件について徹底的に沈黙し、被害女性を保護することができず、むしろ権力者を擁護することに忙しかった」とし、「女性の権益を保護するための機能だけを残し、廃止することが正しい」と主張した。

女性家族部が本当に廃止となるのか、注目してみたい。

(文=サーチコリアニュース編集部)

前へ

1 / 1

次へ

RELATION関連記事

デイリーランキングRANKING

世論調査Public Opinion

注目リサーチFeatured Research