法律が改正されても現状は改善されないままのようだ。韓国では「職場いじめ禁止法」が施行されて5年が過ぎても、問題解決に至っていないことが明らかになった。
【韓国】顧客からの暴言やパワハラ、6割の会社員がしていること
10月22日、国会・環境労働委員会のイ・ヨンウ議員が勤労福祉公団と雇用労働部から提出を受けた資料によると、2019年から今年8月まで、職場でのいじめが原因となった労災認定事例は計675件に上ったという。
その承認事例は年々増加している。2019年は20件だったが、2020年72件、2021年131件、2022年138件、2023年185件で、今年も8月までで129件となっている。
また、2019年以降、職場いじめによる労働者の死亡事故に対する労災申請は計29件あった。そのうち、労災として認定された件数は16件であることが確認された。
職場でのいじめ禁止を明示した改正労働基準法は、2019年7月16日に初めて施行された。これに伴い、労災補償保険法にも労災として認定される業務上の疾病の類型に「職場いじめ、顧客の暴言などによる業務上の精神的ストレスが原因で発生した疾病」が追加された。
その後、職場いじめによる精神疾患などに関して労災申請を行う労働者が着実に増加し、2019年には25件、2020年には104件、2021年には173件、2022年には210件、2023年には262件、そして今年1~8月には207件の申請があった。承認率は60~80%だ。
看過できないのは、職場いじめに関する雇用労働部への申告が急増していることだ。2019年の2130件から2023年1万1038件と5倍ほども増えており、今年1~8月も7720件に上る。
雇用者から労働者へのいじめの種類としては、暴言(322件)が最も多く、不当な人事措置(128件)、悪口や仲間外れ(46件)、私的な用事の指示(41件)、業務の未付与(32件)が続いた。また、いじめの種類を特定しにくい「その他」(154件)も少なくなかった。
イ議員は「雇用者によるいじめの場合、加害者がセルフ調査を行うことができないように、調査の主体から雇用者を排除すべき」と述べ、「11月中に使用者によるセルフ調査を禁止する労働基準法改正案を発議する」と明らかにした。
オンライン上では「国家でも個人でも力がないとやられる…」「職場のいじめで命を終えるなんて」といった意見や、「加害者たちは雇用労働部を恐れていない」「それでも法律があるからこの人数で済んだのではないか」とする声などが上がっている。
韓国で「職場いじめ禁止法」が効果を持つのは、もう少し先のことなのかもしれない。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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