日本でも「男女の賃金格差」が問題視されるなか、韓国でも依然として大きな格差があることがわかった。
特に韓国の大企業に勤める女性社員の平均年収は、男性社員の70%水準にとどまり、依然として性別による賃金格差が大きいことが判明した。
3月6日、企業分析専門の韓国CXO研究所が3月8日の国際女性デーを前に、「主要大企業の業種別男女社員数および平均給与比較調査」を分析した結果を発表した。
その調査結果によると、15業種別に売上上位10位に入る上場企業150社の男性社員の平均給与は9530万ウォン(約985万9000円)だった。
一方、女性社員の平均給与は6650万ウォン(687万9000円)で、男性社員の69.8%水準にとどまった。
15業種別に男女の平均給与を比較した際、女性の年収が男性を上回る業種はひとつもなかった。
製薬業界では女性社員の平均報酬が5910万ウォン(約611万3000円)で、男性社員(7570万ウォン=約783万円)の78%水準となり、比較的格差が小さいほうだった。一方、建設業界の女性社員の年収は男性の59.7%にとどまり、業種別で最も大きな男女間の賃金格差が見られた。
女性社員の平均年収が最も高かった業種は金融業で9260万ウォン(約958万3000円)だった。次いで、情報通信(9000万ウォン)、電子(7450万ウォン)、ガス(7120万ウォン)、電気(7080万ウォン)、石油化学(6920万ウォン)、自動車(6690万ウォン)、流通・商社(6330万ウォン)と続いた。
経済協力開発機構(OECD)によると、2022年の日本の男女の賃金格差は21.3%だ。アメリカが17%、イギリスが14.5%で、北欧では10%を下回る国も少なくない。2021年のOECD平均が11.9%だったことからも、日本は男女の賃金格差が大きい国といえる。
しかし、韓国の男女の賃金格差は同じOECDのデータで31.2%とされ、今回の大企業に焦点を当てた調査でも30.2%に上った。
150社のうち、女性社員の年収が1億ウォン(約1034万8000円)を超える企業は14社だった。
このうち、女性社員の平均年収が最も高かった企業はS-OILの1億1520万ウォンだった。次いで、サムスン証券(1億1450万ウォン)、サムスンSDS(1億1300万ウォン)、サムスン火災・SKテレコム(各1億900万ウォン)、未来アセット証券(1億790万ウォン)、NH投資証券(1億780万ウォン)などが続いた。
150社の総社員数は89万1717人で、このうち女性社員は24.7%にあたる22万460人だった。
女性社員を1万人以上雇用している企業は150社のうち4社にとどまった。サムスン電子(3万2998人)が最も多く、次いでイーマート(1万3522人)、ロッテショッピング(1万3166人)、SKハイニックス(1万855人)の順だった。
女性社員の割合が50%を超える企業は14社で、その割合が最も高い企業はロッテショッピング(66.9%)だった。
業種別では、流通・商社業の女性社員の割合が51.2%で、全社員の半数を超えていた。金融業も全社員の50.2%が女性だった。一方、鉄鋼業は女性社員の割合が5.1%と最も低かった。自動車(6.9%)、機械(8.6%)業界も10%未満にとどまった。
韓国CXO研究所のオ・イルソン所長は「最近、国内企業では業種を問わず女性採用が増えているものの、依然として課題は多い」とし、「定期報告書に中間管理職の男女比率を公開する方法などを積極的に検討する必要がある」と述べた。
今回の調査結果を受け、韓国のオンライン上では「同じ年次、同じ役職で基本給が30%も違うのなら問題だ」「仕事の強度、危険度、労働時間、力量などを総合して評価するのに、単純に性別で分けるなんて」「能力が同等で賃金に格差があったら問題だが、そうでなければ当たり前のこと」といった反応が寄せられた。
男女の賃金格差は、一言で語れるものではなく様々な問題を含んでいる。改善への道のりは長いかもしれない。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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