高市早苗首相の次は李在明大統領だが…トランプ大統領との首脳会談を控え“3500億ドル投資”は膠着状態

2025年10月28日 国際 #時事ジャーナル
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ドナルド・トランプ米大統領の訪韓が一日後に迫るなか、米韓間の関税交渉における劇的な合意の導出は依然として容易ではない雰囲気だ。

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米韓両国は最終局面まで長官級の協議チャンネルを通じて交渉を続けてきたが、3500億ドル(約53兆円)規模の対米投資パッケージの実行方案に関する詳細計画をめぐって膠着状態が続いている様相だ。

10月28日の政界によると、対米関税交渉を総括しているキム・ジョングァン産業通商資源部長官は先週末以降、これまでに2回以上、ハワード・ラトニック米商務長官とオンライン会議を行い、対米投資パッケージの実行方案について協議した。

キム長官は10月22日(現地時間)、キム・ヨンボム大統領室政策室長と共に訪米し、ワシントンD.C.でラトニック長官と対面協議を行った後、24日未明に帰国した。その後も双方はすぐに追加協議を続け、最終的な合意点の導出を試みたと伝えられている。

米韓は7月30日に関税交渉を妥結し、アメリカが予告していた対韓相互関税を25%から15%に引き下げた。韓国はアメリカが要求した3500億ドル規模の対米投資の履行などにも合意したが、具体的な履行方案をめぐっては隔たりを埋められずにいる。

李在明大統領(左)とトランプ大統領
(写真=李在明大統領Instagram)李在明大統領(左)とトランプ大統領

韓国政府は当初、3500億ドルのうち5%以内の水準のみを直接(現金)投資し、残りの大部分は保証で賄う方針だった。これに対しアメリカは、日本との先行合意事例のように現金投資中心の「白紙小切手方式」を要求している。

アメリカは短期間に大量の外貨を供給すれば深刻な経済危機を招きかねないという韓国側の立場を一部受け入れながらも、それでも韓国に対し、毎年250億ドル(約3兆8000億円)ずつ8年間、総額2000億ドル(約30兆円)に達する対米現金投資を促している。

これに先立ち、韓国側は10年間にわたり毎年70億ドル(約1兆円)、総計700億ドル(約10兆円)規模まで現金投資が可能だという立場を示したとされる。

アメリカは3500億ドル規模の投資パッケージのうち少なくとも半分以上を現金投資にすべきだという立場だが、韓国は20%以上は難しいという状況で、両国間の膠着状態が続いている。10月29日に予定されている米韓首脳会談を前に進められた長官級オンライン協議でも、投資規模などの核心争点について合意点を見出すことはできていない。

米韓両国政府の関係者は、対外的にも劇的な合意導出への期待を抑える雰囲気だ。

李在明(イ・ジェミョン)大統領は10月27日に公開されたブルームバーグ通信とのインタビューで、対米投資パッケージの合意過程について、「投資方式、投資金額、スケジュール、損失をどう分担し配当をどう分けるのか。すべてが依然として争点だ」と述べ、両国間の議論がまだ膠着状態にあると重ねて強調した。

これは、以前に韓国政府が「一、二の争点を除けば協議は最終段階にある」と説明していた従来の立場とは異なるものだ。特に現金投資の比率に加え、利益帰属、リスク分担など対米投資パッケージをめぐるほぼすべての争点において、米韓間の見解の差が依然として大きいことを示唆している。

トランプ大統領のアジア歴訪に同行しているスコット・ベッセント財務長官も慎重な姿勢を示した。

ベッセント長官は10月27日(現地時間)、マレーシアから日本へ向かう専用機「エアフォースワン」の機内でホワイトハウス担当記者団と会い、「(米韓貿易交渉が29日までに妥結される段階には)まだ至っていないようだ」と語った。そのうえで「処理すべき細部事項が多く、非常に複雑な交渉だ」と強調した。

(記事提供=時事ジャーナル)

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