《韓国経済誌の分析》BTS、完全体復活で年間売上予想「1500億円超」HYBEにとどまらずK-POP全体へ好影響確実

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K-POPボーイズグループBTSの“完全体”復帰が秒読み段階に入った。メンバー全員の兵役終了を前に、HYBEの業績改善への期待も高まっている。

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海外メディアもBTS復帰と関連した株価反応を集中的に取り上げ、彼らの世界的な経済的影響力に言及した。

過去には年間5兆6000億ウォン(日本円=約5933億円)、一度のコンサートで最大1兆2000億ウォン(約1271億円)規模と推定されたBTSの経済効果は、中国の限韓令(韓流禁止令)緩和への期待感、政府の文化産業振興の基調とも重なり、さらに拡大するという見通しが出ている。

BTSの復帰は単なるカムバックではなく、K-POP産業全体の反騰を導くきっかけに契機になり得ると評価されている。

「今後2年間でHYBEの収益150%増」

“軍白期(兵役による空白期間)”という断絶期間も、個別の活動などを通じて空白を埋めてきたBTSは、完全体復帰の前から経済的影響力を証明している。

BTSメンバーの除隊が続くなかでHYBEの株価は上昇基調。証券業界でも、HYBEの目標株価は相次いで引き上げられている。

KB証券は6月12日、HYBEの目標株価を31万5000ウォン(約3万3000円)から37万ウォン(約3万9000円)に引き上げた。サムスン証券、ハナ証券、iM証券も35~36万ウォン(約3万7000円~3万8000円)台に上方修正した。

BTSの復帰によって、HYBEの収益が今後2年間で150%以上増加するとの分析も出ている。

ハナ証券のイ・ギフン研究員は「BTSの入隊期間中に初めて後退を記録したが、BTS完全体が再開されることで、2026年までの今後2年間で150%前後の増益が予想される」と展望した。

また、「BTSの2026年の年間売上は約1兆3000億~1兆5000億ウォン(約1375億円~約1587億円)程度と予想される」とし、「Weverse(グローバルファンプラットフォーム)のデジタルメンバーシップ収益も急増が見込まれる」と見通した。

海外メディアもBTS復帰に注目している。『ロイター通信』はBTSメンバーの除隊のニュースとともに、HYBEの株価が3年ぶりに最高水準に迫ったと報じた。BTS完全体復帰に対する投資家の期待心理が反映された結果だという説明だ。

『ワシントン・ポスト』は「BTSはデビュー以降、世界中で数千万枚のアルバムを売り上げ、グラミー賞候補、『ビルボード200』チャート1位などに上がったことがある」とし、「BTSはHYBEおよび子会社のBIGHIT MUSICに数億ドルの収益をもたらした。HYBEの年間売上は2020年の5億8100万ドル(約835億円)から2024年には16億ドル(約2301億円)に成長した」と伝えた。

BTS
BTS(写真提供=BIGHIT MUSIC)

産業全体にもポジティブな影響…海外観光客の流入など

業界では、BTSの復帰が単なるHYBEの株価上昇にとどまらず、K-POP全体の推進力を高め、産業全体にポジティブな影響を及ぼすものと見ている。

現代経済研究院は2018年の報告書を通じて、BTSが生み出す年間経済効果を約5兆6000億ウォン(約5925億円)と分析した。当時の韓国におけるGDP(国内総生産)の約0.3%に該当する数値だ。

文化体育観光部と韓国観光公社は、BTSのコンサート1回あたりの経済効果を最大1兆2000億ウォンと推算したことがある。外国人観光客の流入、関連商品の販売、連携産業の輸出増加などが主な要因である。

特に、BTSの完全体復帰は李在明(イ・ジェミョン)政権の文化産業奨励政策や中国の限韓令緩和の流れなどと相まって、さらに大きな経済効果をもたらすとの見通しがある。

実際、李在明政権の発足によって韓中関係の改善期待が高まると、エンタメ株全般が上昇基調を見せている。

限韓令が続いていた時期にも、中国におけるK-POPアルバムの販売比率は全体輸出の20%を占めるなど、K-POPに対する需要は継続的に存在していた。

かつてエンタメ企業にとって大きな市場であった中国でK-POPコンサートが再開されれば、チケットやグッズなどによる収益が追加で発生する可能性があるという話だ。

この“解氷ムード”を察知したHYBEは、すでに動き始めている。HYBEは今年4月、北京に中国法人「HYBE CHINA」を設立した。また、2023年5月には中国の音楽プラットフォーム「テンセントミュージック」と音源流通契約を結んでいる。

李在明政権は「韓流市場300兆ウォン(約31兆円)時代、文化輸出50兆ウォン(約5兆2919億円)時代」という目標を掲げ、文化芸術産業に対する国家財政支援を大幅に増やすという公約を出している。

K-POPをはじめとしたコンテンツの研究開発支援を強化し、世界市場への進出を全面的に支援するという意志を示しているだけに、BTSの完全体活動にもポジティブなシナジーが生じるという見方が出ている。

iM証券のファン・ジウォン研究員は「新政権発足以降、韓中関係の改善期待が浮上し、エンタメ業界全体に友好的な雰囲気が形成された」とし、「新アルバムのリリースなど本格的な活動再開前から、グッズ(MD)を中心にBTS関連のHYBEの売上が顕著に増加すると予想される」と述べた。

(記事提供=時事ジャーナル)

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