日本のアニメ『おそ松さん』(テレビ東京)が、韓国でも大人気だ。
日本で2015年10月から放送されている同作品は、漫画家・赤塚不二夫の誕生80周年を記念し、代表作『おそ松くん』を約27年ぶりにアニメ化したもので、おそ松ら六つ子が成長して大人になった姿を描く完全オリジナルストーリーになっている。
日本では毎回話題を呼びながら女性ファンを中心に絶大な支持を得ているが、韓国も同じく“おそ松girl”を名乗る女性ファンが急上しているのだ。
櫻井孝宏をはじめとする豪華な声優キャストや、韓国でも人気のアニメ『銀魂』の藤田陽一監督の名前だけでも、日本アニメオタクたちは早くから期待を寄せていたが、そのカオスな展開や下ネタ連発のため、韓国内での放送は極めて難しいだろうというのが噂された。
テレビ関係者も、「あんなに下ネタを連発してる番組を韓国で放送しようとすれば、編集・脚色が大変。18禁が付くのは大前提としても、そのまま放送するのは無理でしょうね」と難色を示したほどである。
しかし、2016年5月30日からついに韓国放送がスタート。韓国版タイトルは『おそ松六つ子』である。 もちろんセリフの変更及びカットされたシーンはあるが、同作ならではのカオスさと下ネタが、韓国人にも大ウケしたようだ。
韓国ファンのブログには、「1話の演出を見て度肝を抜かれました。こりゃ、これからが大変だ(笑)。個人的には六つ子がニートってのが良い。2話の就職しようエピソードは、笑ってるのになんだか泣けてきて、ただ笑い飛ばしてるだけじゃなくてちゃんと社会風刺も盛り込まれてるんだなと思いました」
「1話を見て変なアニメだと思い、3話まで見ても人気の理由がいまいち。それが、4・5話でいきなりどハマりです。アホらしさが最高に面白いし、下ネタもここまで言われると逆に気持ちいいくらい」
「私みたいな声優ファンにはたまらない作品です。特に櫻井・神谷・福山・鈴村さんなど、2000年代初期に韓国でも大人気だった声優さんが勢ぞろいで、本当に幸せ」といった書き込みや、各話の感想文も溢れる。
その人気を証明するかのように、韓国ではこんなトラブルも。 とあるコスプレ衣装専門ショップが、おそ松ら着用のパーカーを無断で製作、予約販売を行ったらしいのだ。
だが、そのことを知ったおそ松さん製作委員会から販売中止を命じられ、返金騒ぎになったという。コスプレを楽しみにしていたたくさんの韓国人コスプレイヤーがガッカリしたのは言うまでもない。
それにしても、低迷していた韓国の日本アニメ文化が、久しぶりに活気を取り戻した感じがする。今後も、『おそ松さん』のような作品が次々と登場することを期待したい。
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