安室奈美恵の引退に、ドラマ『おっさんずラブ』の大ヒット、元AKB48メンバーの前田敦子と俳優・勝地涼の結婚、K-POPグループBTSの原爆Tシャツ騒動まで。
今年の芸能界を振り返ると実にさまざまな出来事があったが、韓国の芸能界も2018年はそれこそ怒涛の1年で、残念ながら特にスキャンダルが多かった印象だ。
最も記憶に新しいのは、やはりKARAの元メンバー、ク・ハラと元恋人との間で起きた暴行疑惑とリベンジポルノ騒動だろう。KARAといえば日本でも人気を博したK-POPガールズグループだっただけに、このニュースは日本のワイドショーで大きく取り上げられた。
ク・ハラの暴行疑惑から始まった事件は2人の双方暴行だったことが判明、さらにはク・ハラがリベンジポルノで脅迫を受けたことが明かされ、泥沼化した。
ク・ハラの衝撃的な告白によって“リベンジポルノ”が社会的イシューにもなった。
2人の法廷争いは今も続いているようだが、事件後に芸能活動を休止していたク・ハラが12月24日、日本でファンミーティングを開催。
今後の活動への意気込みを示しただけに、今後の動向には注目が集まっている。
自殺者まで出てしまった「#MeToo」運動も、韓国芸能界を震わせた。
俳優チョ・ミンギをはじめ、オ・ダルス、チョ・ジェヒョン、タレントのキム・センミン、鬼才の映画監督キム・ギドク、美少女専門フォトグラファーのRottaなど、セクハラ・性的暴行疑惑が浮上した人は数を知れず、多くのメディアが行っている“韓国芸能界2018年総決算”でも、「#MeToo」運動がかならずといっていいほど取り上げられている。
中でも俳優業に加えて大学で教授を務めていたチョ・ミンギ(52)は、学生らへのセクハラ疑惑に対する警察の取り調べを控え、首を吊った状態で発見されるという不名誉な死を遂げてしまった。
それらの影響を受け、映画やドラマ関係者の間では「俳優に演技力は問わない。プライベートがクリーンであればいい」という皮肉までまかり通ったほどだというのだがら、「#MeToo」運動で韓国芸能界が大きく揺れたことは間違いない。
しかも、この「#MeToo」運動が収まりを見せる頃、今度は「ビットゥー」運動が勃発した。
「ビッ」というのは日本語で「借金」や「借り貸し」のことで、芸能人の家族へ貸したお金を踏み倒されたり、騙し取られたという告発が相次ぐ現象を「#MeToo」にちなんでそう呼んだのである。
人気上昇中のラッパーであるMicrodotを皮切りに、ラッパーのDOK2、歌手兼俳優のRAIN(ピ)、映画俳優マ・ドンソク、ガールズグループMAMAMOOのフィイン、少女時代のティファニー、女優チャ・イェリョンなど、数多くの芸能人が家族の問題を指摘され、一部の芸能事務所ではタレントとの契約の際、親の債務状況や成長環境なども調査・検討するようになったという。
“家族リスク”は、今後も続く可能性が高そうだ。
また、日本では元モーニング娘。の吉澤ひとみ被告による飲酒ひき逃げ事故が発生したが、韓国でも飲酒運転による悲劇があった。
女優パク・ヘミの夫でミュージカル制作者のファン・ミン氏が、飲酒運転で同乗者の死亡事故を起こしたのだ。
しかも、亡くなったのはパク・ヘミが運営する事務所に所属するミュージカル俳優の2人で、芸能界に大きな衝撃を与えた。ファン氏は懲役4年6カ月の実刑判決を受けたが、控訴したことで再び非難が寄せられている。
2PMのメンバーJun.Kも、飲酒運転が警察に摘発されて活動を自粛。その自粛期間に突然の兵役入隊を発表した波紋を呼んだ。
ちなみに今年の2月末から3月にかけてはBIGBANGのメンバーであるD-LITE、SOL、G-DRAGONの入隊が相次いだ。また、日本で絶大な人気を博している俳優チャン・グンソクも、7月から兵役をスタートしている。
兵役中のチャン・グンソクが貧民村の住人たちに練炭1万3000個を贈ったという心温まるニュースも飛び込んできたが、いずれにししてもなにかとネガティブな事件が多かった今年の韓国芸能界。2019年には、人々に夢と希望を与える明るいニュースが多く飛び出すことを期待したい。
(文=慎 武宏)
前へ
次へ