よく耳にするのは“不動産投資”だろう。実際に元KARAのハン・スンヨン、“国民の初恋”と呼ばれるMissAのスジなど、若くして人気を獲得したK-POPアイドルたちがビルを買い取り、賃貸収入を得ているのは周知の事実でもある。
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上位10%まで範囲を広げれば、歌手は7億3200万ウォン(約7320万円)、俳優は3億6700万ウォン(約3670万円)。一般庶民の感覚では、ただただ凄いとしか言いようがない金額だろう。
さらにちっょと古い話になるが、2016年10月に韓国統計庁が発表した『2016年上半期地域別雇用調査・就業者の産業と職業別特性』資料によると、韓国に1946万7000人いると言われるサラリーマンのうち、月収「100万ウォン(約10万円)未満」が11.2%、「100~200万ウォン未満」が34.6%を占めるという。
つまり、韓国サラリーマン全体の45.8%が200万ウォン(約20万円)未満の月収で働いているというわけで、そんな庶民の立場からすると韓国芸能界の上位10%は、“大富豪”のように映るだろう。
ところが、それはあくまでも上位10%の話に過ぎない。上位10%に含まれない大多数の芸能人たちは、一般的なサラリーマンよりも低い年収を得ている場合が多いというのだ。
というのも、冒頭で紹介した国税庁の資料によると、下位90%に当たる歌手の平均年収は870万ウォン(約87万円)、俳優は620万ウォン(約62万円)だったという。つまり、年収100万円にも及ばない。
モデルに至っては年収270万ウォン(約27万円)という深刻なレベルで、その仕事だけで生計を立てるのはどう考えても無理だろう。
レースクイーン業界でも超トップクラスになると年間1億ウォン(約1000万円)ほど稼ぐ者もいるが、平均すると3000万ウォン~4000万ウォン(約300万円~約400万円)ほどで、年齢が30代になると仕事が激減するというのだ。
ちなみに男女の差もあった。男性歌手は女性歌手より約2.8倍、男性俳優は女優よりも約1000万ウォンほど収入が多い。ただ、モデルの場合は女性のほうが男性より約200万ウォンほど多かった。
上位1%が、下位90%の324倍の所得を得る。両極化が激しく、チャンスは少ない韓国芸能界だけでは先行きが暗いので、多くの韓国芸能人たちが日本や中国といった海外に目を向けるのも当然かもしれない。
文=慎 武宏
*この原稿はヤフーニュース個人に掲載した記事を加筆・修正したものです。