北京五輪の女子カーリング日本代表は本日、韓国代表と対戦する。
韓国とは前回の平昌五輪でも2度対戦し、日本は準決勝で敗れて3位に。準決勝に勝って決勝進出した韓国は銀メダルを手にした。
以前に本欄で紹介した通り、日本代表のスキップを務める藤澤五月が韓国でも有名なこともあって、日本チームを取り上げる報道も目立っている。
ただ、大きく取り上げられているのは、当然のごとくやはり自国代表のほうだ。特に注目を集めているのは、スキップのキム・ウンジョンだ。
キム・ウンジョンは、競技中にかけている大きなメガネがトレードマーク。
“メガネ先輩”の愛称で親しまれていることは日本でもすでに報じられている通りだが、韓国メディアによるとそのニックネームは日本の漫画『スラムダンク』に登場する“メガネくん”こと小暮公延になぞられてつけられたというのだから、面白い。
『スラムダンク』は今でも韓国で根強い人気を誇っているが、思わぬところで再び存在感を示しているわけだ。
そんな盛り上がりの中であっても、キム・ウンジョンは冷静沈着。
韓国でもキム・ウンジョンが顔色一つ変えることなく戦略を組み立てる姿が関心を集めているが、表情が変わらない理由について、彼女はかつてこう説明している。
「状況に応じたショットにだけ集中しているから、表情が変わらないんだと思います。競技中に鏡を見たことがないので、自分ではよくわかりません」
もっとも、日常生活では天真爛漫な笑顔を見せており、料理とネットショッピングが趣味という一面もあるらしい。
2018年7月にはスケート講師をしている男性と約5年の交際を経て結婚。2019年5月に男の子を出産した“メガネ先輩”は、ママさんアスリートとなって2019年秋から現場復帰している。
ただ、韓国代表の一番の強みはキム・ウンジョンひとりにあるわけではく、チームワークにあるという評判だ。
何しろ、出場する5人のうち4人は、同じ義城(ウィソン)女子中学・高校出身。前述のキム・ウンジョンとキム・ヨンミは同級生。キム・ヨンミの妹であるキム・ギョンエとキム・シンヨンも、同じ教室で学んだクラスメイトだ。
2006年、韓国初となるカーリング専用競技場が義城に建設されると、当時高校1年生だったキム・ウンジョンとキム・ヨンミは、遊び場がなかったことから放課後に趣味としてカーリングを始めた。
そこに、姉の競技を見学にきていたキム・ギョンエが参加。さらに、キム・ギョンエが教室の黒板に「カーリングしたい人」と書いて仲間を募ると、同級生のキム・ソンヨンが加わったという。
2015年、高校生の頃から実力を発揮してきたキム・チョヒが加入し、現在のチームが完成。つまり、チーム結成から7年になるのだ。
それだけにチームワークには自信がある。キム・ウンジョンもこう話している。
「昔から一緒にプレーしてきた思い出があるので、私たちは固く結束できているんだと思います」
日本のカー娘(ロコ・ソラーレ北見)たちのチームワークも素晴らしいが、韓国のカー娘たちも強い絆で結ばれているわけだ。
文=慎 武宏
*この原稿はヤフーニュース個人に掲載した記事を加筆・修正したものです。
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