ただ、有原は期待とは反面に初年度から苦戦を強いられた。日本で6シーズン通算60勝を挙げたキャリアを前面に出し、早々に先発陣に名を連ねたが、適応に失敗。開幕から5月初めまでで7試合2勝3敗の防御率6.59にとどまった。
健康面も良い方ではなかった。右手中指の挫傷で1カ月間の起伏を経験すると、肩のトラブルも起こし、右肩動脈瘤の手術を受けた。回復に少なくとも12週間はかかる大きな手術だった。
負傷から復帰後も、メジャー復帰は依然として高い壁だった。9月にも1敗、防御率6.75で揺れた有原は、初年度をクオリティスタートゼロの10試合2勝4敗、防御率6.64で終え、レンジャーズからDFAの措置を受けた。
以後、ウェーバーを通過してレンジャーズ傘下マイナーのラウンドロック・エクスプレスに所属することになった有原は、今年の春季キャンプに招待選手として合流した。
マイナーで2年目のシーズンをスタートさせた有原は、18勝3勝6敗の防御率4.88を記録し、8月にメジャー昇格となるも、5試合1勝3敗の防御率9.45の不振の末、翌9月に再びDFAとなった。9月11日のトロント・ブルージェイズ戦で喫した4回途中11失点という悪夢が致命的だった。
FAとなった有原だが、メジャーに復帰できる見通しは当然暗い。メジャーに対する意志が大きくなければ、母国・日本にUターンすることがむしろ良い選択かもしれない。
『MLBトレードルーマーズ』は、「日本で先発3番手級だった有原は、レンジャーズと2年契約を結んだが、15試合防御率7.57を残すのにとどまった」とし、「来季も選択肢は各球団の傘下マイナーチームとの契約しかなさそうだ。彼が機会を求めて再びNPBに戻ったとしても、別に驚くことではないだろう」と冷静な見方を伝えた。
(記事提供=OSEN)