選手の抜擢段階から疑問の声も少なくなく、ポゼッションをベースにしたパスサッカーに対して一部の専門家、ファンは「これがワールドカップのような最高水準の大会でも通じるのか」という疑問を絶えず提起していた。
実際、韓国はアジア2次予選、アジア最終予選で比較的劣るチームと対戦し、本大会ではウルグアイ、ガーナ、ポルトガルといった強豪を相手にしなければならなかったからだ。
しかし、ベント前監督の努力は実を結ぶこととなった。本大会でもウルグアイ、ガーナ、ポルトガルを相手に対等に戦い、最終的にはベスト16入りを果たした。
ベント前監督は、「4年間、韓国も主導的なサッカーで成果を出せる」と証明したわけだ。
ミュラー委員長が話したクリンスマン監督の戦術は、ベント監督の標榜した“主導するサッカー”とは距離があるように見える。
ミュラー委員長は戦術的な部分に対する質問に「それぞれの人が持つ個性と人間的な面貌が違う。チームにどのような影響を与えるかは見守らなければならない」と述べている。
続いて「どのように選手たちと会って解決していくかも期待される。誰かのスタイルを真似したりするのではなく、韓国的な要素を考慮しなければならない。他のチームや監督を真似することは、どのような結果をもたらすのか、シナジー効果を出せるのか分かりにくい」と話した。
また「スタイルよりも、それぞれの試合局面において、現代サッカーでボールを持った時、持っていない時、攻撃から守備に、守備から攻撃に切り替えるこの4つの局面をどう解決するかを話すことがより重要だと思う」とし、「試合中の4局面」について説明。
ミュラー委員長は「ベント監督が去ったあと、先を見据えて未来を考えたかった。未来に期待することは、より多くのゴールチャンスとより多くの得点だ」と力を込めて述べ、「より単純に、カタールW杯のポルトガル戦を考えてみれば逆襲で得点できた。簡単かつ単純で速い得点が期待できる」とし、韓国サッカーの未来を“逆襲=カウンター”に焦点を合わせて話した。
要するに、ベント前監督の“主導するサッカー”を続ける計画は構想にないということだ。
だが憂慮すべき点もある。